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歌う女優たち~Part 3 侮れない深津絵里

深田恭子に続く、侮れないシリーズ第2弾は、深津絵里。クリスマスエクスプレスのCMや女優としてのイメージが強い彼女ですが、歌手としても侮れない逸材。サファイヤ・キック!

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

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皆さんもご存知の深津絵里(だれもフカエリとは言わないようです)は、女優として大成していますが、歌手としては埋没してしまった。でも侮れない。1973年1月11日生まれ、大分県出身。1986年の原宿音楽祭でミス原宿に選ばれる。1988年10月21日に『1999年の夏休み』で水原里絵という名前で女優としてデビュー。歌手としてのデビューもほぼ同時期で、シングル『YOKOHAMAジョーク c/w 哀しきメトロジェンヌ』(1988年)は、如何にも80年代ビクター系のちょっとメタリックなアレンジのアイドル歌謡と言える仕上がりです。

1988年の同じ日(10月21日)に深津絵里ではなく高原理絵という名前で『マリオネット・ブルー』でリリースするという暴挙に出ています。ファンレターを書く人が困るじゃないですか? B面は『満月のくちづけ』ではちょっとアダルト路線。1989年には高原里絵名義で映画『満月のくちづけ』に主演しています。

彼女がほぼ全日本国民を胸キュンにしたのは、1988年のJR東海のクリスマスエクスプレスです。そう、初代クリスマスエクスプレス・ガール。山下達郎の『クリスマス・イブ』をバックにドラマ仕立てに作られたこのCMは、今見てもジーンとします。眉毛が濃くて、ちょっと化粧しすぎな感もありますが、この時、彼氏が新幹線から降りてこず、ふくれっ面で、そして涙を流す深津絵里を可愛い、愛しいと思わない人がいたら、名乗り出て欲しい。名乗られても困るか。この彼氏がホームでムーンウォークをするのが80年代的。歴代クリスマスエクスプレス・ガールは、なかなかのラインアップです。

1988年:深津絵里
1989年:牧瀬里穂
1990年:高橋理奈
1991年:溝渕美保 
1992年:吉本多香美 
2000年:星野真里

どのヴァージョンも何回見ても飽きないのですが、やはり、この深津絵里そして牧瀬里穂のヴァージョンが、ドラマCMとして古典的な素晴らしさと完成度を達成しています。う~ん、これは牧瀬里穂についてもいつか書かねば。でも、初々しい涙ぽろぽろの吉本多香美(お色気の吉本さんも好きでけど)も捨てがたい。美人タイプの溝渕美保は1991年に『約束』というシングルを出しているのですが、CM出演後どうなったのか不明です。2000年の星野真里ヴァージョンでは、深津絵里と牧瀬里穂も登場しました。深津絵里は、ちょっと可笑しいけど可愛いオカッパでした。

1989年に『7つの涙 c/w 彼の涙、彼女の意志』と『アプローチ c/w 少女失格』という二つのシングルをリリース後、ファースト・アルバム『Applause(アプローズ)』を4枚のシングルからの5曲を収録して(だから3曲はアルバム未収録)リリースしました。『7つの涙』は、アニメのサントラ『ここはグリーン・ウッド』にも収録されています。全体的に、冒険度に欠けるけど、アイドル歌謡としては合格点といえる内容です。しかし、彼女の歌手としてのキャラクターと才能は、まだ最大活用されていない。

01. アプローチ
02. はじめてのリグレット
03. 想像失恋
04. 彼の涙・彼女の意志
05. 銀のエスカレーター
06. YOKOHAMAジョーク
07. 消えた8月
08. 7つの涙
09. ひと夏のメルヘン
10. マリオネット・ブルー


次のページでは彼女の転機となった侮れない作品から。
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