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ジャングルビートで連打!(3ページ目)

メロン記念日の『さぁ! 恋人になろう』に敬意を表して、ジャングルビート特集。ジャングルで連打! 連打! 連打!

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

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80年代ジャングルビートのルーツと言えば、前述のAdam & The Ants。

1977年にロンドンで結成されたAdam & The Antsは、一見詐欺師にしか見えない胡散臭いおっさんのようだが、実はSex Pistolsの仕掛け人としてもその嗅覚と戦略で敏腕を振るうMalcolm McLarenがマネージャーとなり、アパッチ・ルックとジャングルビートを武器にメジャー第一弾アルバム『Kings Of The Wild Frontier』(1980年)で、一躍時代の寵児となる。

グラム~ニューロマの変種としても位置付けられます。バンド解散後、1982年にAdam Antはソロとしても、『Goody Two Shoes』といったロカビリー調ジャングルビートのヒット曲を放つ。

そのMalcolm McLarenは、ドライクリーニング屋で働いていた当時弱冠14歳(1965年にビルマのラングーン、現在のミャンマーのヤンゴンで生まれる)のアナベラちゃんを発掘し、Adamから離反したThe Antsの3人のメンバーによるBOW WOW WOWのヴォーカリストとして迎え入れる。

1980年に世界初のカセット・シングル『C30, C60, C90 Go』をリリース。1981年にリリースされたそのジャケ(モネの絵がモチーフとなった)が物議をかもしたアルバムが、『See Jungle! See Jungle! Go Join Your Gang Yeah! City All Over, Go Ape Crazy(ジャングルでファン・ファン・ファン)』。当時配慮があったのか、アメリカ盤は、オリジナル・ジャケが使われませんでした。

今回の記事作成に多大なインスピレーションを与えてくれたヤマネ君から指摘があったのですが、同名タイトルの2作目アルバムに収録の『I Want Candy』あたりが、メロン記念日の『さぁ! 恋人になろう』のイメージ原型かと思われます。現在、BOW WOW WOWの日本盤CDで買えるのは、1999年に発売されたリミックス+再結成ライヴ・アルバム『Wild In The U.S.』のみです。

ちょっとジャングルビートのマイナー系も紹介します。Haysi Fantayzeeです。ジャケを見ると二人組に見えますが、Kate Garner、Jeremi Healy(DJ)と影の薄いPaul Caplinの3人組です。当時、流行っていたドレッド・ヘアーにボロ着ファッション。Kate Garnerは、現在ファッション系フォトグラファーとして活躍しているようです。

イギリス・チャートで16位となったデビュー・シングル『Shiny Shiny』(1983年)は、元Deaf SchoolのClive Langerによるプロデュースのジャングルビート。2000年に唯一のアルバム『Battle Hymns For Children Singing(子供たちの軍歌)』は、ボーナス・トラック7曲を追加して、Razor & Tieというレーベルから再発されています。

他にも『I Eat Cannibals』がマイナーヒットしたTotal Coeloというガール・バンドもジャングルビート系です。アフロっぽいとかカリビアンなニューウェイヴというのは、結構ありますが、この辺がジャングルビートのエッセンスでしょうかね。
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