テクノポップ/テクノポップ関連情報

J-POP研究~Part 8 渡部チェル・モー研究(2ページ目)

『恋をしちゃいました!』『LOVE涙色』『ミニハムずの愛の唄』のアレンジャー、渡部チェルについてちょっと研究。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

『恋をしちゃいました!』の秀逸なアレンジが認められた証拠だと思いますが、久々の知的サル系美形アイドル、松浦亜弥の『トロピカ~ル恋して~る』のアレンジも担当。

こちらは、どちらかと言えば、両親を不安の底に落としいれる夏の風物詩的ハッピィー・アイドル歌謡の路線です。しかし、「トロピカルなキッス」ってなんなんだ?

続いて、出たのが『LOVE涙色』。『ドッキドキ!LOVEメール』に続くつんく♂が好きなメールがテーマのメロウ・アイドル歌謡です。

この曲における渡部チェルのアレンジは、冴えまくっています。MUSIC MAGAZINEで、一番読みごたえのある記事を書いている「これがヒットよ!」の石井 恒が、「ベスト・アルバム2001」で歌謡曲/ポップス部門で、1位に押したものの却下されてしまった曲です(でも、アルバムじゃないじゃん)。サビを前面に押し出した、素晴らしい構成です。つんく♂×渡辺チェル×松浦亜弥のすべてが、見事に噛み合っています。

チャート2位と好調のファースト・アルバム『ファーストKISS』では、既出のシングル収録に加えて、ラスト曲『初めて唇を重ねた夜』の編曲も渡部チェルが担当しています。

こちらは、オーソドックスなバラードですが。アルバム曲のクレジットを見ていると、元ジューシィ・フルーツの東京キケン野郎、沖山優司もベースで参加しています。

そして、ミニモニ。の変名ユニット、ミニハムずの『ミニハムずの愛の唄』で、凄いアレンジをしています。アニソン編曲者でもある渡部チェルにこの仕事がまかされたのは納得がいくのですが、羊の皮を被った狼のような曲です。間奏のオルガンの部分は、サイケデリックなトリップ感。ドアーズの『ハートに火をつけて』をこの曲の後に、ぜひ聴いてください。

しかし、こんなアレンジを子供向けの曲にするとは、確信犯です。3曲目にして初めてチャート1位を取れなかった曲ですが、チャート順位とクオリティは必ずしも結びつかないので、気にしないでおきましょう。

これからも渡部チェル仕事、楽しみです。
【編集部おすすめの購入サイト】
Amazonでテクノポップ関連の商品をチェック!楽天市場でテクノポップの CD・DVD をチェック!
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます