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ニューオーリンズとロックの意外な関係?

ロックンロールを指揮したニューオーリンズR&B!エルヴィスの誕生に埋もれたロックとニューオーリンズR&Bの意外な関係を検証!

執筆者:古賀 忍


ロックンロールを指揮したニューオーリンズR&B!エルヴィスの誕生に埋もれたロックとニューオーリンズR&Bの意外な関係を検証!


まずは「ロックンロール」の語源をたどれ!

「ロックンロール」という言葉が流行したのが1954年。エルヴィスの音楽などに見られる新たなサウンドやダンス・スタイルを目にしたクリーブランドのラジオDJ、アラン・フリードが叫んだ「ロックンロール!」がこの言葉の語源と言われているが、1947年にサックス奏者兼シンガーのワイルド・ビル・ムーアのジャンプ・ナンバー「ウィア・ゴナ・ロック、ウィア・ゴナ・ロール」の語源から進化した説も。


ロックンロール界の2大看板
エルヴィス・プレスリー&チャック・ベリー

ロックンロールを語るうえで欠かす事のできない男、エルヴィス・プレスリーとチャック・ベリー。この二人が運命的でもあり、そして対象的な2大看板として語り継がれる理由がある。それは黒人にも指示された白人、エルヴィス・プレスリーに対し、白人にも指示された黒人、チャック・ベリーである。「音楽」は「人種」の壁をも越えることを証明してくれた偉大なアーティストであるからだ。

エルヴィス・プレスリー

人種差別がまだ色濃く残る時代に生まれたエルヴィス・プレスリー。幼少時代より偏見というものを持たずに黒人文化に触れ、聖歌隊にも参加していた彼にとっては、白人と黒人、双方の感性を融合させた新たなスタイルを既に10代で確立。19歳の時、母親のために作った曲がサム・フィリップに認められプロの道に。

そして開花したのは2年後の1956年、「ハートブレイク・ホテル」が全米No.1を獲得し、ここから後世にまで語り継がれる伝説がスタートすることに。今までに感じた事のないプレスリーのロックンロールには、常にブルースとゴスペルが礎となり生まれていた。

チャック・ベリー

後世では「ロックンロールの神様」と言わしたチャック・ベリー。ビートルズをはじめ、ローリング・ストーンズなど、現在のロック界を築いたアーティストらにもっともカヴァーされ、そして愛された男である。本名チャールズ・エドワード・アンダーソン・ベリーは1926年にセント・ルイスで生まれ、1955年にウィットにとんだ独創的なサウンドにてシーンに登場する。

ベリーのギター・リフはブギ・ピアノの左手のリズム、まさに8ビートをギターに置き換えたものである。常に新たな扉を開く軽快なビートを武器に「Johnny B. Goode」、「Roll Over Beethoven」、「Rock And Roll Music」など永遠不滅な世界を創作し、激動のロックンロール界を走り抜け、白人社会で栄光を収めた黒人アーティストの先駆者だ。


ロックンロールに影響を与えた「ニューオーリンズR&B」の世界

■ファッツ・ドミノ
1940年代、ブギ・ウギ・ピアノの名手としてその名を知られたファッツ・ドミノが1950年にニューオーリンズR&B最大のヒット曲「The Fat Man」をリリース。ロックンロールの「源」ともいえる斬新な楽曲は後のエルヴィス・プレスリー誕生に大きく影響を与え、その後、ロックンロールの代名詞ともいえる「Ain't It A Shame」の名曲も残す。

■スマイリー・ルイス
ブギ・ウギからアプローチするジャンプとルンバの融合サウンド、これぞニューオーリンズのジャンプ・ブルースと言わしめたスマイリー・ルイス。代表曲に「I Hear You Knocking」などを挙げるが、このサウンドが後のロックンロールに流れた事は言うまでもない。

■アラン・トゥーサン
ロックンロールもとい、ニューオーリンズR&Bの基盤を築いた男、アラン・トゥーサン。プロフェッサー・ロングヘアーのカリブ・サウンドに強く刺激を受け、独創性あるR&Bを構築。エルヴィスをはじめ、チャック・ベリーなど、後のロックンロール誕生秘話には欠かせない存在である。

まだまだ代名詞的なアーティストを紹介していきたいところですが、その辺りを完全網羅した素晴らしいブックが登場しましたので、続きはコチラにて↓↓


タワーレコードが誇るあのフリーマガジン「bounce」誌から!

タワーレコードの音楽媒体の一貫として毎月25日に発行される「bounce」誌。フリーペーパーの枠を超え、毎号150ページにも及ぶ特集記事&ディスクレビューが掲載されるばかりか、いまだタダで貰える音楽ファンには最高のバイブルである。CDは買わずとも、この雑誌だけを頂くため毎月店舗に足を運ぶ方も多いはずだ。また、全国の店頭バイヤーがレコメンドするだけあり、解りやすい解説はもちろん、大型新譜に埋もれるお宝新譜もしっかり掲載。常にお客様の視点を軸に、共に音楽を育てるその姿勢には脱帽もの。

そして!その音楽媒体を熟知した「bounce」誌がこれまでの膨大な資料をもとに、ディスクガイドに着手。2005年の年末には『STANDARDS』シリーズの記念すべき第1弾、『PUNK ROCK』を発売し、第2弾『R&B』、第3弾『DANCEHALL REGGAE』と怒涛のリリースに続き遂に第4弾も――。


商品詳細
『bounce book NEW ORLEANS THE MUSIC&LIVING LARGE』

2006年8月25日発売   ¥1,365(税込価格)

今だ記憶に新しい2005年、8月25日の〈カトリーナ〉上陸から1年、ニューオリンズの再興運動は活発に。この音楽のメッカが紡ぐ音楽はジャズ~R&B~ソウル~ファンク~ロック~ヒップホップと多種多様。地名がそのままジャンルに置き換えられるこの土地の再建を願い、音楽と文化の広がりを若いリスナーへ一挙紹介!

※本の収益の一部は「カトリーナの基金」に寄付されます。



ニューオーリンズR&Bとロックンロールは非常に深い関係を持ちます。また、チャック・ベリーにスポットを当てると今度はリトル・リチャードをはじめボ・ディドリーなど、またしても黒人音楽がロックンロールの「礎」となり現在があることを教えてくれます。音楽は深いですね。今度はその辺りも特集に!
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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