デスティニーズ・チャイルドの解散により、一時代を築いた女性ヴォーカル・グループに終止符が打たれた。そこで！女性ヴォーカルのルーツを時代背景とともに徹底検証！
第二次ガールズ・グループの誕生
70年代に繁栄した女性ヴォーカル・グループも80年代にはファンク／ディスコ・サウンドの影に埋もれてしまったが、水面下ではソロ・ヴォーカル組が現在のR&Bスタイルを構築。よりダイナミックなサウンドやディスコ・ブームから芽生えたダンサンブルな演出など、新たなヴォーカル・グループの基盤が着々と確立し始めていた。そして、90年代に突入するとともに「第二次」ガールズ・グループ時代が到来。次世代サウンドが目まぐるしく飛び交い、世界的に飛躍する時代となったのだ。
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| 当初はヴォーグ名義でした |
ソロとして活躍するドーン・ロビンソンをはじめ、シンディー・ヘロン、テリー・エリス、マキシーン・ジョーンズで88年に結成されたヴォーグ。ゴージャスなスタイルと70年代のシュープリームス要素を備え持つ彼女らは90年に待望のメジャー・デビューを勝ち取ることに。第二次ガールズ・グループの“クイーン・オブ・ディーヴァス”として常に時代をリードし、後にTLCなどが誕生する90年代女性ヴォーカル・グループの源流的な存在である。
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| ココはソロでも活躍したよ |
アン・ヴォーグとおなじく「第二次ガールズ・グループ」世代に登場したココ、タージ、リリーの全員10代の3人組ヴォーカル・グループSWV＝Sisters With Voices。GuyやNew Editionなどのニュー・ジャック・スウィング系グループの女性版として結成。彼らほどエッジは効いてないが、ゴスペル育ちの声質を活かしたロマンチックでダンサンブルなナンバーが定評に。シングルでも「Right There」「Weak」などが大ヒットを収めている。
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| TLCは一応解散してません |
T-ボズ、チリ、レフト・アイがR&B界に歴史を刻んだ94年の名盤。デビューから2年越しで完成したこのアルバムは、前作の少女の面影を打破しアダルトな魅力を全面に打ち出したクールな作品に変貌したものである。そして、このアルバムから誕生した永遠のアンセム「ウォーターフォールズ」は名曲中の名曲。レフト・アイ亡き後、残された音源からアルバム制作も行われたが、事実上は活動中止状態。史上最強の座を明け渡す事となる。
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| TLC以降ラップも盛んに！ |
95年に美メロなスロー・ナンバーをしっとりハモるばかりか、時にラップをかますストリート・スタイルなど新人離れしたスキルを備え、本作でデビューを果たしたブラウンストーン。メンバーはニッキー、ミミ、マキシーの3人がオリジナル・メンバーである。彼女らはマイケル・ジャクソンが設立したレーベル「MJJ」第1弾アーティストとしてデビューを飾ったことでも大きな注目を集めることとなる。
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| 「モータウン」が再びトライ！ |
「モータウン」が90年代に入り、近代R&Bに着手した話題の96年デビュー・アルバム。当時ではまだ発展途上であった初期チキチキ・サウンドが炸裂した「Steelo」が話題を呼んだ。しかもまだ表舞台で大きく活動をする前のMissy Elliottのプロデュースでもあり、今ではレア度も高い一曲！「第一次ガールズ・グループ」を牽引してきた「モータウン」が再び次世代サウンド＆スタイルで勝負にでた注目のグループ。
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| 現代に繋がる次世代の音 |
パフ・ダディ（現ディディ）ことショーン“パフィ”コムズが設立した「Bad Boy Records」から新星のごとく登場した“バッド・ガールズ”ことパム、キーマ、キーシャで結成されたトータルの96年デビュー・アルバム。デビュー前にはNotorious B.I.G.のバック・ヴォーカルを努めている。満を持して送り出されたこの作品は、ある意味パフィにとっても今後のR&B界を左右する「Bad Boy」の切り札的グループでもあった。
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| トニ・ブラ姉妹が大勝負に！ |
グラミー界の女王、トニ・ブラクストンの姉妹グループとして絶大な人気を誇るザ・ブラクストンズ。この96年のデビュー・アルバムではトリーナ、トゥワンダ、テイマーの3人組でデビューを飾ってはいるが、結成当初の90年ではトニも含め5人姉妹でシングル「Good Life」を発売している。なのでこのアルバムは“ネオ”ブラクストンズと言うことになる。オーソドックスでR&Bヴォーカル流儀なサウンドなど本格派のニオイが充分。
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| デスチャ誕生への鍵を握る |
マライア・キャリーの黄金期、まさに96年に彼女自身が設立したレーベル「CRAVE」の第1弾アーティストとしてデビューを飾ったアリーア、ラリーシャ、アキーサ、ヘム・リーの4人組女性R&Bグループの初となる97年フルアルバム。当時のマライア・キャリーのサウンドを手掛けるトラック・マスターズのポーク・マナーに沿ったサウンドで勝負。また、マライア自身もアルバム参加するなど話題を振りまく内容でした。
完全無欠の“クイーン・オブ・ディーヴァ”が誕生
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| ベストソングがてんこ盛り！ |
ビヨンセ、ケリー、ミッシェル、それぞれがソロで活躍した後に、再集結して放った2004年の4thアルバム『Destiny Fulfilled』も世界中で大ヒットを記録した。そして、そのアルバム・タイトル（運命は叶った）の思わせぶりな意味を体現するかのように突然の解散宣言で幕を閉じたデスティニーズ・チャイルド…。
98年のデビュー以来、幾度のメンバー・チェンジはあれども、常に最先端のサウンド、最高峰なビジュアル展開からその地位を不動のものとしたグループである。冒頭でも触れたが、まさに「無敵」の称号と引き換えに彼女らが導いた女性ヴォーカル・グループの未来図はあまりにもかけ離れた世界観であるがゆえ、女性ヴォーカル・グループの消滅を意味した瞬間でもあったのである。
デスチャが解散した話題をいまさら何を！とお思いでしょうが、近年のR&Bシーンにはヴォーカル・グループがほとんどいません、、、。たしかに一時期のヴォーカル・グループ旋風は衰えましたが、特に“ガールズ”は消滅寸前の非常事態。それだけデスチャの存在が大きかったのでしょう。だからちょっとしたデスチャ誕生までの女性ヴォーカル・グループのルーツを探索してみました。
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