ロック・ポップス/ロック関連情報

ロック名曲をアコースティックでカヴァー(2ページ目)

70~80年代のハードロックの名曲を、アコースティックアレンジでカヴァーしたアルバムが登場。全7曲でギターを弾き、プロデュースしているのは、あのBOWWOWのギタリスト、山本恭司だ。

執筆者:田澤 仁


あっと驚くアレンジで名曲がよみがえる


選ばれている曲も名曲ばかりだ。70~80年代にはハードロックのヒット曲も多かったが、その中でもとくに有名で、誰もが聴いたことがあるようなナンバーばかり7曲が収録されている。そしてどの曲も意外性のあるアレンジで美しく仕上げられているのが素晴らしい。

比較的原曲の雰囲気が感じられるアレンジになっているのは、1曲目、ジャーニーの「DON'T STOP BELIEVIN'」や、最後のナイトレンジャー「SISTER CHRISTIAN」くらい。KISSがディスコを取り入れてヒットさせた「I WAS MADE FOR LOVIN' YOU」は、なんとボサノヴァ調のアレンジで生まれ変わっている。包み込むようなMONDAY満ちるの柔らかい歌声や、山本恭司と渡辺香津美の激しいギターバトルも聴きどころだ。

『ROCK LEGENDS REBORN~acoustic cafe~』
意外性のあるアレンジで名曲を別の顔でよみがえらせている
STYXの「THE BEST OF TIMES」は国府弘子のピアノでジャジーに仕上げられ、原曲ではデニス・デ・ヤングの歌うやや硬質なメロディが、マリーンのヴォーカルによって優しくふくよかに響いてくる。ヨーロッパの「THE FINAL COUNTDOWN」はスパニッシュアレンジだし、サヴァイヴァーの「EYE OF THE TIGER」は、二井原実のヴォーカルで哀愁漂うバラードに変身。そしてエアロスミスの「WALK THIS WAY」では押尾コータローのリズミカルなアコースティックギター、山本恭司の本作で唯一のエレキギターのソロが楽しめる。

ともすると奇抜とも思えるアレンジを施されている曲もあるけれど、それが見事にハマっているのが素晴らしい。そして、原曲の持つメロディの良さも改めて実感させられる。どの曲も完成度の高い仕上がりなので、原曲が当時から好きで思い入れがたっぷりあるファンでも、このアルバムを聴いてがっかりすることはまずないハズ。もちろん原曲を知らない若いリスナーが聴いても楽しめるだろう。原曲と聴き比べてみるのも面白い。

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