ルーク、ペイチとも共作、ボビーのパートでよりTOTOっぽく
ガイド:
参加したミュージシャンそれぞれの個性もすごくよく表れています。TOTOをはじめ気心の知れたメンバーだったので、演奏内容やアレンジは彼らに任せた部分もあったのですか?
ジョセフはいつも真摯に質問に答えてくれる |
いや、アレンジはきちんと決めてあった。参加してくれたミュージシャンは、僕が決めてあった通りにプレイしてくれたんだ。だって、TOTOの人たちはみんな、もともとプロフェッショナルなスタジオミュージシャンなんだから。
ガイド:
1曲目の「This Fall」は今のTOTOやルーク(スティーヴ・ルカサー)のソロアルバムのような雰囲気だし、リフもリズムもギターソロもとてもカッコいい。1曲目にふさわしく、わくわくするような曲ですね。
ジョセフ:
アルバムの1曲目に、エネルギッシュなギターがリードするこんなサウンドの曲が欲しいと思っていたんだ。そういう僕のアイデアをもとに、ルークがリフを作ってくれたんだよ。
ガイド:
2曲目の「DO 'YA」はさらにTOTOっぽい雰囲気が感じられますね。
ジョセフ:
昔と同じように、デヴィッド・ペイチと一緒に作った曲なんだ。デヴィッドもたくさんアイデアを出してくれて、時間をかけてそれをうまく1曲にまとめることができたよ。ボビーのパートを入れたことで、TOTO以上にTOTOっぽい曲に仕上がったね。
ガイド:
「It's a Far Cry」は昨年のアルバム『ティアーズ』や『スマイルズ』に通じるようなスタイルの曲ですが、これらの弾き語りのアルバムを続けて作ったこともこの作品に影響を与えているんですか?
ジョセフ:
『ティアーズ』や『スマイルズ』と制作期間が重なっている曲はないから、直接の影響はないと思う。ただ「It's a Far Cry」は、前作を一緒に作ったデヴィッド・ハリスと一緒に作った曲なんだ。デヴィッドと、デヴィッドが紹介してくれたクリス・イートンにも加わってもらって、ライティング・セッションをしながら作り上げていった曲なんだよ。
ガイド:
前作のような弾き語りスタイルと今回のようなロックスタイルとでは、歌うときの意識に違いはありますか?
ジョセフ:
ビッグなロックチューンとかポップソングを録るとき、あるいはそういう曲をライヴで演るときは、むしろ叫ぶっていうようなつもりでやってる。よりメロウで低い音域の曲、たとえば今回のアルバムの「HUSH」のような曲は、本当に“歌う”っていう感じだね。
(翻訳協力:浦馨)
といったわけで、インタビュー前編はここまで。今回はおもに新作『This Fall』についての話を聞くことができたが、まもなく掲載予定の後編では、ジョセフ自身の音楽スタイルについて、そしてTOTOについても詳しく聞いている。そちらもぜひご覧いただきたい。