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ゴリ押しHRの大御所モーターヘッドの新作

ゴリ押しハードロックの大御所、モーターヘッドのデビュー32年目の新作が『モータライズ』。通算20枚目となるこの作品でもモーターヘッドらしい“極悪”ぶりが炸裂している。

執筆者:田澤 仁


“ゴリ押し”ハードロックの大御所といえばモーターヘッド。1977年にデビューしてからすでに30年以上が経過したが、つねに変わらぬスタイルでぶっ飛ばし続けているのが本当にカッコいいバンドだ。

思わずテンションの上がるワイルドな“ゴリ押し”サウンド


モーターヘッドのサウンドの基盤はロックンロール。それも、ギターとベース、ドラムの3リズムにヴォーカルが乗るという超シンプルなトリオ構成。しかし、とてつもなくワイルドで攻撃的。聴いているとテンションが上がるという人もいるだろう。

『Ace of Spades』
モーターヘッド初期の名盤と言われる『Ace of Spades』
ガツガツ突っ込んでくる力強いビート、性急なギターリフも特徴的だが、なんといってもレミー・キルミスターのベースとヴォーカルがモーターヘッドサウンドの看板。彼のベースはギターのようにゴリゴリに歪んだ音で、グイグイとビートを引っ張っている。そしてしゃがれた声でうなるように叫ぶように歌う。さらにレミーのルックスも超ワイルドときているからもう無敵だ。ロックバンド、とくにハードロックバンドはちょっと不良っぽい方がカッコよかったりするが、モーターヘッドの場合はサウンドもルックスも“ちょい悪”などというなまやさしいものではなく、もう極悪だ。しかもそれが30年以上、ちっとも変わらないのだから驚いてしまう。

それに、30年以上もの間、コンスタントにアルバムを発表し続けているところもすごい。メンバーチェンジだって何度もあったのに、つねに1年か2年という短い間隔で新しいアルバムを発表し続けてきたし、失敗作というのも見当たらない。移り変わりの激しい音楽シーンでこんな活動が継続できるのは、その変わらないサウンドに大きな魅力があるからだろう。

30年以上、基本的にサウンドが変わっていないのだから、どれを聴いてもモーターヘッドらしいといえるが、とくにオススメできるのは、名盤と言われている1980年の『Ace of Spades』と、全英1位を獲ったライヴ盤『No Sleep 'Til Hammersmith』だろう。モーターヘッド未体験のリスナーは、まずはここから聴いてみてほしい。


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