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続々登場の紙ジャケCD(3ページ目)

このところ目立つのが、“紙ジャケ”仕様でのCD再発売。ロックの名盤も次々に美しい紙ジャケになってよみがえっている。今回はヴァン・ヘイレンとフォリナー、ポーキュパイン・ツリーの紙ジャケシリーズを紹介。

執筆者:田澤 仁


イラストの美しさが引き立つポーキュパイン・ツリーの紙ジャケ


紙ジャケでの再発はレコード会社の意向で実現することが多いのだが、アーティスト自らの意思が反映されている場合もある。たとえば、その強力なサウンドでコアなファンを持つポーキュパイン・ツリーというバンドが、以前の7作品を一挙に紙ジャケット仕様で4月に再発しているが、これはバンドの中心人物であるスティーヴン・ウィルソンのこだわりで実現したものだ。

スティーヴン・ウィルソンにはこれまで何回か会ったことがあるが、そのクールなルックスとは違って、サウンド、音質、楽曲の作りなど、すべてにおいて自らのこだわりを追及する情熱的なアーティストという印象。その彼は、自分はアナログレコードで育った世代で、ジャケットを眺めながら音を聴くというスタイルが大好きだったから、CDになってもカバーアートにはこだわりたいと言っていた。そして、“アルバムの中身もジャケットもライヴも、すべて含めてひとつの作品として提示するのがアーティストだ”とも。

『Stars Die』
美しいイラストが印象的なポーキュパイン・ツリーのベスト盤『Stars Die』
そのスティーヴン率いるポーキュパイン・ツリーのアルバムジャケットには、つねに幻想的で美しいイラストが使われている。インターネットのサイト上にある写真を見るだけでもそのイラストの美しさがわかると思うが、もし可能ならCDショップなどで実際に紙ジャケを手にとって見てもらいたい。実物はもっともっと、それこそびっくりするくらい美しいのだ。カバーアートにこだわりを持っていたスティーヴンが、今までのCDジャケットでは満足できなかったのも納得できるほど。ジャケットを眺めながら聴くという、まさにアナログ時代の楽しみ方ができるのがこの紙ジャケシリーズだ。

ポーキュパイン・ツリーのサウンドの中身を言葉で説明するのは難しいのだが、端的にいえばテクニカルでへヴィでプログレッシブ、といったところ。アルバムごとにサウンドも変化しているのだが、賛否両論を覚悟の上であえて似ているアーティストを挙げるすると、フランク・ザッパやドリーム・シアターなど。今回紙ジャケで再発された7作品の中には、90年代の楽曲を集めたベスト盤『Stars Die』も含まれているので、初めて聴くならこのあたりがオススメだろう。

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