ロックンロールの元祖、チャックベリー
元祖ロックンロールが満載の『ジョニー・B.グッド~チャック・ベリー・ベスト・セレクション』 |
印象的なギターのリフが曲の骨格となるスタイルや、ギターを脇に低く構えてステップを踏む“ダック・ウォーク”といった、チャック・ベリーが生み出したものに影響を受けていないロック・ミュージシャンは皆無といってもいいだろう。愛用のギターの中で有名だったのはギブソンのES-335というセミ・アコースティックギターで、ジャズ・ギタリストにも愛用者が多い楽器だが、ロック界、とりわけロックンロール・スタイルのロック・ギタリストにもこのギターの愛用者が多いのは、もしかしたらチャック・ベリーの影響なのかもしれない。
チャック・ベリーも、ベスト盤、コンピレーション盤が数多く発売されているアーティストだ。そのいずれも、聴き覚えのある曲(あるいは聴き覚えのあるリフ)が満載のものばかりだろう。チャック・ベリー自身のヒットソングとしてよく知られている曲が多いだけでなく、これまでに多くのアーティストがカヴァーしたり、曲の途中にチャック・べリー・スタイルのリフを織り交ぜたりしているからだ。タイトルだけ見てわからなくても、聴いてみれば知っているフレーズばかり、ということになるだろう。
『ジョニー・B.グッド~チャック・ベリー・ベスト・セレクション』もそんなベスト盤だ。「ジョニー・B.グッド」に始まり、「ロックン・ロール・ミュージック」、「メイベリーン」、「ロール・オーヴァー・ベートーベン」と、のっけから超有名曲、超有名リフの波状攻撃。ギターをちょっとでもかじったことのある人なら、思わずギターに手を伸ばして一緒に弾き始めてしまうことだろう。ただしダック・ウォークで家中を駆け回ると家族の不評を買うことがあるので、その点には注意してもらいたい。
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