多大な影響を与えたピストルズ


世界に衝撃を与えた『勝手にしやがれ!!』だが、ピストルズのリリースしたオリジナルアルバムは、後にも先にもこれしかない。このアルバムをリリースしてからわずか3ヵ月後、ヴォーカルのジョニー・ロットンが脱退を表明し、そこでピストルズは解散となってしまったのだ。そのほぼ1年後には、暴力的なパンクのイメージリーダーでもあった2代目ベーシストのシド・ヴィシャスが薬物中毒で死亡している。

活動は短期間だったが、その影響は非常に大きかった。世界的なパンクムーブメントを起こしたことだけでなく、様々な音楽に影響を与えている。その後のハードロックやヘヴィメタルに影響を与えていることは明らかだし、パンクにスカやレゲエが結びついて、マッドネスやスペシャルズといったバンドの登場にもつながっている。さらにはポストパンク、ニューウェーブといったイギリスのムーブメントもパンクから派生したものだし、90年代のグランジやオルタナティブロックにも、パンクの影響が見受けられる。本当に偉大なムーブメントをリードしたのが、ピストルズだったわけだ。

そして再結成


そのピストルズが最初に再結成されたのは1996年だ。このとき初代ベーシストのグレン・マトロックを復帰させて世界ツアーを行ない、さらに2003年にはアメリカツアーも行なっている。だから今回は4年ぶりの再結成ライヴということになる。

以前の再結成のときは、「再結成は金目当てだ」と発言し、相変わらずの過激さを見せていたピストルズだったが、今回の再結成は『勝手にしやがれ!!』の発売30周年を記念したものということだ。当初はロンドンのブリクストン・アカデミーで、11月8日に一度限りのライヴを行なうと発表されていた。しかしこのチケットは発売から15分程度で完売となった。つい先日、11月9日と10日にも追加公演が行なわれることが発表されたが、このチケットも10分程度で完売したという。

『ザ・ベスト・オブ・セックス・ピストルズ』
ロンドンに行けないファンは、ピストルズの残した音源を網羅したベストアルバム『ザ・ベスト・オブ・セックス・ピストルズ』で楽しもう
ライヴ会場はロンドンだし、すでにチケットは完売しているから、ピストルズの再結成ライヴを見に行くのはほとんど不可能に近いだろう。しかし、ファンにとってうれしいニュースも入ってきている。それは、デビューシングルの「アナーキー・イン・ザ・UK」が、今年に入ってから再レコーディングされていたことだ。これはTVゲームのサウンドトラック用に録音されたもので、プロデューサーはデビューアルバムと同じくクリス・トーマスだというから、再びあの過激なサウンドが聴けるかもしれない。このゲームはプレイステーション3用のソフトとして国内でも発売される予定だという。ロンドンに行けないファンは、せめてこちらを期待して待とう。


【関連リンク】
セックス・ピストルズの公式サイト(英語)

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