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YOUNG PERSON’S GUIDE TO SHIBUYA-KEI(2ページ目)

小西康陽選曲のコンピレーションが発売されたりして再評価の気運も高まる「渋谷系」は、90年代J-POPの最重要ムーブメント。今回は、そのはじまりのワンシーンや時代を創った作品を御紹介します。

執筆者:常木 晴亮

「渋谷系」なんて知らない!という方々の為に、最も重要な3組の、最も「渋谷系」的な作品を御紹介しましょう。それぞれの激レア音源も紹介しておきますのでマニアの方もイジワルしないで読んでね!

YOUNG PERSON'S GUIDE TO SHIBUYA-KEI

カメラ・トーク
「恋とマシンガン」を収録した2nd.アルバム(1990)。ボサノヴァやギター・ポップ、ソフト・ロックといったサウンドに日本語詩がマッチした傑作。リマスターされたその音質が賛否両論の紙ジャケ盤もあります
■ Flipper's Guitar 『カメラ・トーク』

Flipper's Guitarは現Cornelius小山田圭吾と小沢健二の2人組。「渋谷系」ギター・ポップを代表するグループです。メンバー2人のグループ解散後の活躍もあって、今でこそ神格化された感のあるFlipper's Guitarですが、当時はやれ「歌が弱い」だの「魂がない」だのという悪評も高かったような。

全曲英語で歌われる歌詞と、Aztec CameraやOrange Juiceを筆頭とするネオアコ・グループ直系のサウンドを持つ1st.アルバム 『THREE CHEERS FOR OUR SIDE~海へ行くつもりじゃなかった』(1989)は洋楽と間違われることが多く「F」のコーナーで見かけることもしばしばでした。

実際、洋楽の担当者が洋楽だと思い込み洋楽コーナーで展開して成功した(たくさん売れた)。嘘か誠かそんな話も聞いたことがあります。

そして「恋とマシンガン」がTVドラマ 『予備校ブギ』 の主題歌に使用されヒットした時は、随分と歌謡曲寄りの展開をしてきたな、狙っちゃったのかなと思う反面、お茶の間に歌謡曲とは全く違う手触りのサウンドが流れることに胸がすくような気持ちにもなりました。

1991年、サンプリングを多用したサウンドと内省に向かった歌詞が次の展開を感じさせた3rd.アルバム 『ヘッド博士の世界塔』 を発売した矢先唐突に解散を発表。その理由は明らかにされぬままになっていますが、当人達からしてみれば必然たる色々な要因があったのではないでしょうか。

人気も売上も好調でツアーも目前という時期の突然の解散に、どこかの新聞が「身勝手な今のワカモノの象徴だ」的なことを書いているのを見た時は「え~?」と思ったものです。今なら吹き出すだけですが。

■ レアレア Flipper's Guitar
Flipper's Guitarのレア音源として最も有名なものは前身バンド「Lollipop Sonic」の自主制作カセットでしょうか(筆者未聴)。後にタイトルを変えFlipper's Guitarの楽曲として生まれ変わった作品も数曲あるようなので、いずれ日の目をみてほしいものです。

あくまでFlipper's Guitarのレア音源ということであれば1st.アルバム 『THREE CHEERS FOR OUR SIDE~海へ行くつもりじゃなかった』 のプロモーション盤に入っていた「Medley"Neatest Musical Charabanc ever"~スリー・チアーズ・メドレイ」という楽曲があります。

これは『THREE CHEERS~』収録曲をメドレー化してナレーションを被せた"だけの"もの。なので血眼になって探す程のものでもないと思いますが、前述のプロモーション盤(アナログLP及びカセット・テープ)の他 『TRATTORIA SAMPLER VOL.1』 というタイトルのレーベル・プロモーション・サンプラーで聴くことができます。

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ORIGINAL LOVEの巻
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