進化する「日本のジャズ」の象徴
■第3位:EQ『Third Report』EQ『Third Report』 2005年4月発表。小池修(sx)、青柳誠(p)、納浩一(b)、大坂昌彦(dr)という人気ジャズ・プレイヤー4人からなるユニット「EQ」の3rdアルバム。前作に比してエレクトリックな要素を増しつつも、ストレートアヘッドなジャズをさらに繊細にしたようなEQワールド全開の快心作。 |
しかし、普段ライブハウスに足を運ぶ習慣のない人は、そのことを実感する機会がない。テレビでも、ラジオですらも、日本の「ホンモノの」ジャズを聴く機会は少ない。
CDを買おうにも、日本のCDは輸入盤に比べて圧倒的に高く、日本盤1枚の値段で輸入盤2枚が買える現状において、名の知れた海外ミュージシャンのCDよりも日本人のCDを優先して買うような人はよほどの数寄といえよう。
けれど、ジャズガイドの立場としては、何とか日本人のジャズを聴いてほしいと思う。ライブハウスに足を運ぶのが一番なのだが、せめてCDででも、「日本人にも、こんなすばらしい演奏をしている人たちがいるのだ」ということを知って欲しいと思う。
だから、EQの最新3rdアルバムを3位にランクインさせた。小池修(sx)、青柳誠(p)、納浩一(b)、大坂昌彦(dr)という人気ジャズ・プレイヤー4人によるユニット、ジ・アース・カルテット(EQ)は、演奏に安定感と緊張感を共存させる、誰にでも自信を持ってお勧めできる「ホンモノのジャズ」を演奏する、日本有数のユニットなのである。
本作はユニットとしての3作目にあたるわけだが、前2作も負けず劣らず良い。もしこの『Third Report』をお気に召したなら、きっと第1作『The Earth Quartet』、第2作『Imperfect Completeness』も合わせて購入してみてほしい。ホンモノのジャズだけが放つ切れ味を堪能していただきたいと思う。
●曲目リスト
1.アット・ジ・エントランス…
2.クロマティズム
3.ザ・ポレスター
4.雨下の砂漠
5.サイレンス
6.ホッピン・ステッピン
7.春夏
8.エモーショナル・クオリティ
9.…ア・ウエイ…
きました第2位! 今年の富士ロックを熱狂の渦に巻き込んだアノ人の最新作!