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その1 Jazz meets iPod!(2ページ目)

ジャズをどこで、どのように聴くのか。ジャズ鑑賞のためのメディア論。シリーズ第1回はHDDポータブルオーディオプレイヤーを取り上げます。

執筆者:鳥居 直介

疑問2 メリットは?

何よりも大きなメリットは、「たくさんの曲を1台の携帯端末に入れられること」である。これまでのウォークマンでは、録音メディア(CD、MDなど)を入れ替えなければならなかったのに対し、HDDポータブルオーディオプレイヤーでは、一度本体にデータを入れてしまえばもはやメディアを入れ替える必要はない。

私は現在アルバム130枚、1500曲程度を保存しているが、20ギガバイトのハードディスクはまだ残量が残っている。使わないデータを削除していくなら、十分過ぎる容量といえるだろう。

HDDポータブルオーディオプレイヤーのもう1つの大きなメリットは検索性・操作性だ。iPodに一日の長ありとは感じるものの、各メーカーのHDDポータブルオーディオプレイヤーはほぼ例外なくアルバムタイトル、曲、アーティスト、ジャンルなどから聴きたい曲を検索することができる。

こうした機能は、ジャズのように同タイトルの曲を様々なアーティストが演奏する音楽においては、非常にありがたいはずだ。特にミュージシャンにとっては、練習曲の各バージョンを手軽にピックアップして聴いたり、ソロの特定の箇所を繰り返し聴くことができる、これらのデジタルならではの機能は本当にありがたいものだ。

疑問3 デメリットは?

バッテリーはフル充電で8~16時間程度。これを十分と感じるかどうかは、人それぞれだろう。値段はハードディスクの容量によるが、2万円~4万円の間。これも、感じ方は人それぞれだ。そのほかにはデメリットといえるようなデメリットは見当たらない。個人的には「なんて便利な道具なんだ」と感動している。

しかし、そもそも携帯オーディオというものには音質の限界がある、ということは忘れてはいけない。ハイエンドのオーディオに音質でかなうわけはないし、ライブ演奏の興奮をMP3で味わうことはできない。何よりおそろしいのは、こういう圧縮データでばかり音楽を聴いていると、そういう「耳」になってしまうということだ。これはオカルトでもなんでもない。音楽は本来、耳だけで聴くものではない。身体で感じるものだからだ。

大量の音源の中から好きなものを選んで、どこでも気軽に音楽を楽しめる気楽で便利なツール。HDDポータブルオーディオプレイヤーとは、これ以上でもこれ以下でもないのだと思う。

次回はジャズ鑑賞メディアの王道、LPとCDを取り上げよう。乞うご期待!



ジャズ鑑賞のWhere & How
その1 Jazz meets iPod!
その2 CDとLPの共存共栄?
その3 ライブ体験は「一期一会」
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