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ギタリスト特集!(2ページ目)

弾き方にルールのないギターという楽器が、ミュージシャンを個性的な存在に。ユニークなギタリスト達を紹介します。

執筆者:佐久間 啓輔

ジャズとギタリスト

もともとリズム楽器なので、もっぱら「ズンチャ、ズンチャ」とリズムを刻んでいただけであったジャズギター。そんな地味な存在に光を当てたのが、チャーリー・クリスチャン。ピックアップ搭載のギターが造られ、ソロ楽器として認識されていく過程で、クリスチャンはギタリストとしてビバップのスタイルを完成させたのである。

40年代のビバップ期には、さほど目立つことのなかったギタリストだが、50年代のハードバップ期に入り、個性的なミュージシャンが頭角を現し始める。ケニー・バレルジム・ホールジョー・パスグラント・グリーンタル・ファーロウグラント・グリーン・・・。なかでも圧巻なのは、ウェス・モンゴメリーだ。テクニック、センス、個性、全てにおいて圧倒的である。

ストレートなジャズギタリストが活躍していくなか、70年代よりロックの要素をとりいれたジョン・マクラフリンラリー・コリエルのようなギタリストが台頭しはじめる。ヒュージョン時代であり、ギターブームの幕開けだった。ロック界でのギターヒーローとともに人気をはくしたのが、ラリー・カールトンリー・リトナー。そして忘れてはならないのがジョージ・ベンソン。ベンソンの影響をうけたギタリストをあげると、きりがないほどで、60年代から現在まで常に時代をリードする。

そして今、なんでもありのこの時代に支持されて続けているギタリストが、パット・メセニージョン・スコフィールドだろう。ジャズをベースにした独自の世界を展開する多くのギタリストのなかで、ひときわ目立った存在である。最近ではジェシ・ヴァン・ルーラーなどのオーソドックスなスタイルのジャズギタリストも、ブレイクしている。

ギタリストと必殺技

人気ギタリストは、必ずと言っていいほど独自の必殺技を持っている。ここぞというトコロで炸裂するそのワザはファンの期待を裏切らない。

ウェス・モンゴメリー【オクターブ奏法】
超個性的なウェスの数あるワザのなかで、最強なのがオクターブ奏法。盛り上がってくると登場するワザだ。ダイナミックなオクターブ奏法は至難のワザであるが、ウェスは涼しい顔でそれを見せつけてくれるのだ。

ジョージ・ベンソン【ハミング奏法】
歌でもヒットを飛ばすベンソンは、アドリブソロを弾きながらそのメロディーをハミングする。ひとつの楽器のようにシンクロするギターと歌声が時に激しく、時に美しく響く。

グラント・グリーン【反復フレーズ】
ロックギタリストには馴染み深い反復フレーズは、ジャズでは意外と珍しい。しかもグリーンのそれは半端ではない。一瞬レコード針が飛んでいるのではないかと疑う人も少なくはない。「しつこい」という声もあるかもしれないが、反復してこそグリーンである。

パット・マルティーノ【反復フレーズ】
マルティーノの反復技もスゴイ。音の渦のなかで忽然とあらわれるこのワザは、聴き手をバーチャルトリップの世界へ…。やみつきになること請け合いだ。

スタンリー・ジョーダン【タッピング】
エドワード・ヴァン・ヘイレンが開発したとされるライトハンド奏法(簡単に言えば右手指板をたたく奏法、早い音符が簡単に弾ける。)を発展させ、左手でコードを右手でメロディを弾くというピアニストの特権ワザをギターで可能にしてしまった。ただし、単なるパフォーマーで終わってしまった印象が…

いかがでしたでしょうか?ギタリストはジャズに限らず、本当に個性的な人が多い!今回は残念ながら邦人ギタリストの紹介はできませんでしたが、国内にも個性的で素晴らしいギタリストは沢山います。その辺は、またの機会に紹介していきたいと思います。

 

関連リンク:海外のジャズギタリスト 日本のジャズギタリスト

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