文章: 佐久間 啓輔(All About「ジャズ」旧ガイド)

ジャズという音楽は、20世紀初頭、アメリカのニューオリンズで生まれたというのが、通説です。トラディショナルなジャズとは、ヨーロッパ音楽の洗練されたハーモニーやアフリカ系の躍動的なリズム感などが融合された、言わばアメリカという国の文化を象徴する音楽なのです。ちなみに“JAZZ”の語源は、当時ニューオリンズの多くのバンドが“JASS BAND”と呼ばれていたことからきたとされますが、定かではありません。



歴史上まず紹介すべきアーティストは、1920年代に登場したルイ・アームストロング(トランペット、ヴォーカル)でしょう。アームストロングの出現以降、ジャズにおいてアドリブという演奏形態が大変重要な要素となります。また天性のエンターテイメント性で、アフリカ系ミュージシャンとして初めてスターダムにのし上がる事により、後のジャズの発展に大きく貢献することとなるのです。

しかし1920年代初頭、歓楽街の閉鎖などによりニューオリンズのジャズミュージシャンたちの活動の拠点は、ニューオリンズの北、シカゴへと移り変わっていったのです。アームストロングも例外ではありません。全盛期と呼ばれる時期は、シカゴでの活動がメインでした。ちなみに“シカゴスタイル”とは、その当時シカゴで活動した、白人ミュージシャンたちの演奏から派生したものだと言われます。

時を同じくして、アメリカ中西部のカンサスシティでも新しいジャズの動きがありました。シンプルなメロディをワイルドに演奏するその独自のスタイルは、後にカウント・ベイシー(ピアノ)、レスター・ヤング(サックス)、チャーリー・パーカー(サックス)らを生み出す温床となるのです。

1926年、マイルス・デイビス、イリノイ州アルトンに生まれる。

1930年代、低迷するアメリカ経済に一筋の光を差したのがスイング・ジャズです。スイング時代を代表するベニー・グッドマン(クラリネット)、グレン・ミラー(トロンボーン)、デューク・エリントン(ピアノ)、カウント・ベイシー(ピアノ)らの軽快でダンサンブルなビッグバンド演奏は、一躍ジャズをアメリカの大衆音楽に。それまでのクラシック音楽に取って代わり、メディアがとり上げる音楽の多くはジャズへと移行していったのです。

少年期のマイルス、ラジオでジャズを聴きあさる。

時は1940年代、場所はニューヨーク。ビジネスライクな演奏に飽き足らず、夜な夜なハーレムに集まるジャズミュージシャンたちが、自分たちのための演奏をしはじめる。そしてビバップが生まれたのです。

次回はモダンジャズの幕開け、40年代、50年代ジャズ!
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