DTM・デジタルレコーディング/シンセサイザー活用ノウハウ

DX7を再現するフリーウェア、HexterVSTi

二十数年前、デジタルシンセ初期の名機といえば、なんといってもYAMAHAのDX7でしょう。NativeInstrumentsからはFM7というエミュレータが発売されていますが、オープンソースのフリーウェアも登場しました。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

二十数年前、デジタルシンセ初期の名機といえば、なんといってもYAMAHAのDX7でしょう。NativeInstrumentsからはFM7というエミュレータが発売されていますが、オープンソースのフリーウェアも登場しました。

往年の名機、YAMAHA DX7


DX7
1983年、248,000円という価格で発売され、世界中で大ヒットとなったFM音源シンセサイザ、YAMAHA DX7
YAMAHAのDX7というシンセサイザをご存知でしょうか?ちょうどMIDIという規格が誕生し、シンセサイザがアナログからデジタルへと移行しだすタイミングに登場したシンセサイザで、世界的にも大ヒットした製品です。

当然、世界中の多くの有名ミュージシャンがDX7を使い、それまでのアナログシンセとは明らかに異なる、独特なサウンドを出していました。とくにDX7のキラキラした感じのエレクトリックピアノは、現在でもDX7をサンプリングしたサウンドがよく使われていますし、アナログシンセとはまったく違うシンセブラス、シンセベースなども幅広く使われました。


ほかのシンセサイザとは明らかに異なる方式のFM音源


そのDX7で採用された音源方式は、アメリカのスタンフォード大学とYAMAHAが共同で開発したFM音源というものでした。ここでは、そのFM音源を詳しく解説するつもりはありませんが、これはそれまでのアナログ音源、また現在主流のPCM音源ともまったく異なる方式の音源となっています。

まさに数学的に作られるシンセサイザなのですが、非常に単純なサイン波を出すオペレータという発信器を並べて音を作り出すというシステムで、三角関数の掛け算や足し算、また入れ子の計算式によって音が計算されて出てくるという不思議なもの。あまりにも変わった方式であるため、どのパラメータをどのように調整すると、どんな音になるのか、ほとんど想像がつかないというものです。

そのDX7では6つのオペレータを組み合わせて音を作るというもので、組み合わせ方をアルゴリズムと呼んでいますが、どう組み合わせるかで音もまったく変わってくるというシンセサイザだったのです。
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