とはいえ、adatという現在ますますよく目にしますよね。これは、S-VHSテープを使った8トラック・デジタルレコーダーであるADATとは関係ないのでしょうか?
いま一般によく見かけるadatというのはADATで搭載されたデジタルインターフェイスのことを意味しており、正確にはadat opticalといいます。形状的にはS/PDIFのオプティカルの角型、つまり一般にいう光デジタルインターフェイスとまったく同じものではありますが、S/PDIFとはまったく互換性のない別モノです。
もう少し具体的にいうと、このケーブル1本で、8チャンネルのオーディオ信号を流すことができるもので、当然光ファイバを用いて接続し、そのケーブルはS/PDIF用のものがそのまま利用できるのです。当然デジタル接続ですから、基本的には音質の劣化はなく、しかも8チャンネル同時に送れるというのは非常に大きなメリットです。
Alesisではこのadat opticalの規格をオープンにしたため、現在Alesis以外にも数多くのメーカーがadat opticalのインターフェイスを装備した機器を発売しています。もちろん、当初はADATと接続することが目的であったのですが、今ではADATというハードウェアはまったく抜きに、各種レコーディング機材同士をadatで接続するのが一般的となっているのです。
実際パソコン用にもPCIカードとして、さまざまなインターフェイスが発売されています。一例をあげれば、
RME 96/8 PST
RME Digi9636
FRONTIER WaveCenter/PCI
ECHO Gina24
ECHO Mona
ESI Audioterminal 010
MOTU 1224
などなど、さまざまなものがあります。
一方、ミキサーやAD/DAコンバーターなどadat搭載の機材もいろいろあります。たとえば、私の手元には、ちょっと古い機材ですが、KORGの168RC SoundLinkというデジタルミキサーがあり、これには2系統のadatが搭載されているので、計16チャンネル分の入出力が可能です。