DTM・デジタルレコーディング/DTM基礎知識

【シリーズ テクニカル用語徹底解説】その2 adatインターフェイスとは(2ページ目)

カタログを見ているとよく登場するadat。でも実際にモノを見たことはないという人も多いでしょう。これはいったい何モノで、一般のユーザーにとってもメリットのあるものなのでしょうか。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

とはいえ、adatという現在ますますよく目にしますよね。これは、S-VHSテープを使った8トラック・デジタルレコーダーであるADATとは関係ないのでしょうか?
 いま一般によく見かけるadatというのはADATで搭載されたデジタルインターフェイスのことを意味しており、正確にはadat opticalといいます。形状的にはS/PDIFのオプティカルの角型、つまり一般にいう光デジタルインターフェイスとまったく同じものではありますが、S/PDIFとはまったく互換性のない別モノです。
 もう少し具体的にいうと、このケーブル1本で、8チャンネルのオーディオ信号を流すことができるもので、当然光ファイバを用いて接続し、そのケーブルはS/PDIF用のものがそのまま利用できるのです。当然デジタル接続ですから、基本的には音質の劣化はなく、しかも8チャンネル同時に送れるというのは非常に大きなメリットです。
 Alesisではこのadat opticalの規格をオープンにしたため、現在Alesis以外にも数多くのメーカーがadat opticalのインターフェイスを装備した機器を発売しています。もちろん、当初はADATと接続することが目的であったのですが、今ではADATというハードウェアはまったく抜きに、各種レコーディング機材同士をadatで接続するのが一般的となっているのです。
 実際パソコン用にもPCIカードとして、さまざまなインターフェイスが発売されています。一例をあげれば、

   RME 96/8 PST
   RME Digi9636
   FRONTIER WaveCenter/PCI
   ECHO Gina24
   ECHO Mona
   ESI Audioterminal 010
   MOTU 1224
などなど、さまざまなものがあります。


 一方、ミキサーやAD/DAコンバーターなどadat搭載の機材もいろいろあります。たとえば、私の手元には、ちょっと古い機材ですが、KORGの168RC SoundLinkというデジタルミキサーがあり、これには2系統のadatが搭載されているので、計16チャンネル分の入出力が可能です。
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