DTMを楽しむ上で、非常に重要な要素を占めるエフェクト。リバーブやコーラス、ディレイ……、音源に内蔵されていたり、オーディオソフトの編集機能として装備されているため、名前やなんとなくの機能は知っている人がほとんどだと思います。でも、実際の活用法はどうもよく分からない、という人は結構多いのではないでしょうか?
これらをうまく活用することにより、自分の手持ちの音源で表現できるサウンドの可能性は大きく変わります。またレコーディングしたサウンドをよりブラッシュアップすることも可能です。しかし、うまく活用するためにはエフェクトの基礎を抑えておかなくてはなりません。
そこで、これから数回に渡り、エフェクトの基本を捉えるとともに、実際の利用法について考えていくことにします。また、エフェクトは音源に内蔵されたものに限らず、単体のエフェクトというものもありますので、それについてもどう利用するといいのか、さらにソフトウェアによるエフェクトもありますので、エフェクト全体をいろいろな角度から眺めてみることにしましょう。
■エフェクトって何?
カラオケを楽しむ際、エコーを思いきりかけて歌う、という人がよくいます。エコーをかけることによって、声に伸びが出たり、張りが出たりするため、本来の歌声は大したこと無くても、結構上手に聞こえてしまうものです。
このエコーのように、本来の音を変質させるモノのことをエフェクトと呼んでいます。エレキギターなどで使うディストーションやディレイなどのことをエフェクタと呼んでいますが、これも同義です。調べてみると、このエフェクタというのは和製英語のようで、エフェクト(effect)と呼ぶのが正しいようです。またエフェクツ(effects)と呼ぶこともありますが、これはエフェクタ類という意味で使われます。
このeffectという英単語からも分かるように、これは影響を与えるという意味を持っています。つまり原音に影響を与え、音に効果を付けるというわけなのです。
カラオケ用のエコーをはじめ、エフェクトには、本当にさまざまな種類があり、これをボーカルだけでなく、楽器音に利用することで、音楽の可能性は大きく広がります。逆にエフェクトをまったく使わずに音楽を作ることももちろんできますが、やはり物足りないものになってしまうことは確かです。生演奏という場合には、エフェクトを使わなくても、それなりのライブ感はでますし、見た目やその場の雰囲気により良さは出てきます。しかし、デスクトップミュージックというような場合は、エフェクトは必須のアイテムといっても過言ではありません。
そのため単体で売られているエフェクトとは別に、ヤマハやエディロールをはじめとするメーカーが発売している各種音源にもエフェクトが内蔵されています。便宜上、音源内蔵のエフェクトのことを
内蔵エフェクト
単体のエフェクトのことを
外部エフェクト
のように呼んで区別しています。
その一方で、最近ではソフトウェアでエフェクトを実現するものがいろいろと登場しています。ハードディスクレコーディングソフトなどの機能として盛り込まれているものがあるほか、VST、DirectX、MASなどプラグインの仕様も確立され、いろいろなソフトと組み合わせて利用することも可能になっています。
これから、こうしたさまざまな種類のエフェクトについて解説していくことにしましょう。