歌舞伎/歌舞伎関連情報

南北ならではの面白さ『盟三五大切』その1(5ページ目)

鶴屋南北の作品が通しで上演!となると、ついついウキウキ気分になるのは筆者だけではないだろう。以前ある役者さんに聞いた話によれば、これは役者も同じらしい。

執筆者:五十川 晶子

四谷横町に移っていた八右衛門は幽霊騒ぎで再び家を出ると、入れ替わりに三五郎と小万がやってくるが、家主の弥助が小万(本名お六)の実の兄とわかる。三五郎は父・了心に源五兵衛から巻き上げた百両を渡し勘当を解かれる。了心は実は、数右衛門の郎党の一人で、三五郎はその倅・千太郎だった。

その後、源五兵衛は意外にも酒樽を持って、三五郎と小万の前に現れる。そこへ役人が源五兵衛を五人斬りの罪で召捕りにきたが、八右衛門が身代わりとなる。
源五兵衛が帰った後、二人の家に幽霊が。幽霊の正体は家主の弥助。弥助が御用金を盗んだ犯人と分かり、塩冶家の敵である高野家の絵図面も手に入る。三五郎は弥助を殺し、絵図面を数右衛門に渡すために四斗樽に入り、了心が担いでいく。
だが三五郎の留守中、再び源五兵衛が現れ、先ほど持ってきた毒酒を二人が飲まなかったことを知り、小万と赤ん坊を惨殺する。

了心の庵室にきた源五兵衛は小万の首を眺めながら茶漬けを食う。了心がやってきて一切を知り、源五兵衛は後悔し、責任を取ろうと腹を切ろうとするが、四斗樽の中ではすでに、三五郎が腹を切っている。源五兵衛が主筋にあたる数右衛門であることを知り、さらにこれまでの罪におののいた三五郎は、すべての責任を負うつもりだった。そこへ集まった義士達と、源五兵衛は、心新たに討ち入りへと発つ。

その2へ続く。
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