歌舞伎/歌舞伎関連情報

義経をめぐる人々 義経千本桜 その4(3ページ目)

先月、5月、6月、7月と、東京・歌舞伎座では『義経千本桜』が上演されている。といっても、すべての段を通して上演しているのではなく、他の演目と合わせて、見どころの多い段を月替わりで上演している。

執筆者:五十川 晶子

<木の実、小金吾討死>

場面はうって変わって高野山の中。ここからは新たにいがみの権太という男が主人公に加わる。
清盛→重盛→維盛→六代という平家直系の維盛と六代が登場する。維盛は知盛とは対照的に和事系。その御台・若葉の内侍と六代は維盛を追って旅を続けている。その共の小金吾の荷物と権太の荷物を、権太がわざと取り違えたことから、源平の物語が市井の民である権太にもふりかかる。

小金吾は後に追っ手にかかり、華やかな立ち回りを見せる。この立ち回りがまた見事で、うっとりしてしまう。
途中うっそうとした森の木立の中での立回りでは、追っ手がそれぞれ手に縄を持ち、立ち回りながら次第に”編んで”いく。まるでひところはやった”リリアン”のように。その上に小金吾が乗るというアクロバティックな立ち回りが面白い。
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