親子で火花!『勧進帳』の弁慶と富樫
さてさて、気になるオペラ座での実際の舞台はどのようになるのだろうか。
團十郎
「実際にオペラ座での『勧進帳』の舞台がどうなるかといえば、通常歌舞伎座ではバックの松羽目は布に描いています。今回は全部檜の板にしてもらって、いわば能舞台に近い。照明も、現行の明るい歌舞伎あかりではなくて、明治の九代目の頃は新富座でガス灯、シャンデリアが客席に下がっていたようなあかりをイメージしています。当時はちょっと薄暗かったようですね。オペラ座にはシャガールの天井絵がありますので、それを考慮して、今回は昔の明治に近いあかり、フラットでも陰影のあるあかりを考えております。
『紅葉狩』の方は、歌舞伎の現行のあかりのような明るいものになりそうです。
口上で行う「にらみ」も醍醐寺歌舞伎以来ですね。「(團十郎が)にらむとその年は風邪をひかない」という口上をフランス語で行います。通じるかどうかは分かりません(笑)。おかげさまで私も、1月松竹座で『勧進帳』をつとめたあと、検査して、結果陰性でした。足腰鍛錬しなくてはと思っています。
弁慶、富樫、ダブルキャストの親子対決です。親子といえども舞台の上では役者同士、火花が散ればいいなと。そこにどこか親子の情が出せればいいなと思っております」
気合十分の團十郎親子、段四郎親子。 |
海老蔵
「日本では僕らが親子であるということをわかって観ていただけますが、パリでは親子と言うより一人のアクターとして観られるのでは。僕が弁慶をして、父が富樫という舞台は、一生ないと思っていた。言ってみるものですね(笑)」
亀治郎
「大河ドラマの撮影を離れて久しぶりに舞台に立てるのは楽しみです
。お白粉塗りたい病がでてきて(笑)。テレビと舞台、気持ちは変わらないです。でもこのオペラ座公演があることで撮影の方も励みになりました」