偉大なるパロディ精神とスペクタクル性を満喫
歌舞伎の魅力・・・役者はもちろんのこと、いやいやまだまだいろいろ、あります。
スペクタクル性、パロディ、アクション、源平の時代から江戸までの時代を軽々超えてしまうファンタジックな世界、京の都から日本橋までさながらロードムービーの面白さ・・・を掛け合わせた贅沢な芝居はいかがでしょう。
お正月の国立劇場では、開場四十周年記念の一環として通し狂言『梅初春五十三駅』を、なんと166年ぶりの復活上演を楽しめます。
166年ぶりに復活される『梅初春五十三駅』 |
国立劇場では通しで一つの演目を上演することが多いのですが、さて「通し狂言」とは何か。
歌舞伎座などでは、昼と夜の両部制で、昼と夜ではそれぞれ上演される演目とそのプログラムが変わります。例えば『忠臣蔵』の一部と、舞踊と、『三人吉三』の一部。これで昼の部終了、という具合。これを「見取り」「見取り狂言」と呼びます。(みどり、と呼びます)
そうではなくて、一つの作品をほぼ全幕を通して上演することを「通し狂言」といいます。昨今上演されない古い作品を復活させて、通して上演するケースが多いのが国立劇場の特徴です。
さて、この『梅初春五十三駅』。尾上菊五郎一門と菊五郎劇団の面々が、それぞれいくつもの役を兼ねて大活躍。菊五郎自身はなんと6つの役を次から次へと勤めます。他に、中村時蔵、坂東三津五郎、尾上松緑、尾上菊之助らによる見応えタップリの作品が、166年ぶりに復活するというわけです。