歌舞伎/歌舞伎関連情報

原作に忠実な『息子』に挑戦 その2(2ページ目)

今回の演目は小山内薫の「息子」と新版「応挙の幽霊」。どちらも近代の歌舞伎劇だが、現代の視点や原作に注目し、新しく演出・脚色されるという。

執筆者:五十川 晶子


『応挙の幽霊』
平成4年、国立劇場で故・澤村宗十郎の自主公演で上演されて以来となります。
幽霊画で有名な円山応挙の絵をモチーフに作られた落語が原作。

<若旦那をまんまと騙し、応挙描く女の幽霊画を前に一杯始める骨董屋と、絵から抜け出てくる女の幽霊がくりひろげるさしつさされつのユーモアあふれる舞踊劇。>

「生前、宗十郎さんといずれ歌舞伎でやりたいね、芝居の形でやりたいねと話していましてね。”歌舞伎の作品を一人で分かりやすく語ると落語になる”というのが持論なんです。それをもう一度歌舞伎に戻したい。
そのためには芝居としてのアンサンブルが必要だろうと。

骨董屋と若旦那の対話が必要になるんです。ですから新内の語る前後を台詞劇にして作りしました。今回脚色して対話を肉付けする際、江戸前の歌舞伎らしさとはなんだろうと考えました。そこで『魚屋宗五郎』をヒントにしている部分もありますのでお楽しみに。

最後には深川らしい江戸のカラッとした笑いにもっていきたいんです。江戸の男と上方の男、幽霊という3つ巴の追いかけっこのように、賑やかに」(竹柴さん)。

新内の生演奏で盛り上がる江戸博
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます