『応挙の幽霊』
平成4年、国立劇場で故・澤村宗十郎の自主公演で上演されて以来となります。
幽霊画で有名な円山応挙の絵をモチーフに作られた落語が原作。
<若旦那をまんまと騙し、応挙描く女の幽霊画を前に一杯始める骨董屋と、絵から抜け出てくる女の幽霊がくりひろげるさしつさされつのユーモアあふれる舞踊劇。>
「生前、宗十郎さんといずれ歌舞伎でやりたいね、芝居の形でやりたいねと話していましてね。”歌舞伎の作品を一人で分かりやすく語ると落語になる”というのが持論なんです。それをもう一度歌舞伎に戻したい。
そのためには芝居としてのアンサンブルが必要だろうと。
骨董屋と若旦那の対話が必要になるんです。ですから新内の語る前後を台詞劇にして作りしました。今回脚色して対話を肉付けする際、江戸前の歌舞伎らしさとはなんだろうと考えました。そこで『魚屋宗五郎』をヒントにしている部分もありますのでお楽しみに。
最後には深川らしい江戸のカラッとした笑いにもっていきたいんです。江戸の男と上方の男、幽霊という3つ巴の追いかけっこのように、賑やかに」(竹柴さん)。
新内の生演奏で盛り上がる江戸博 |