歌舞伎/歌舞伎関連情報

今度の『小栗判官』は昼夜二部に。1

国立劇場の3月の演目は、『当世流小栗判官』。「猿之助十八番の内」と銘打ってあるように市川猿之助一門の役者陣による中世の物語を基にしたスペクタクルとロマンにあふれる長編の舞台だ。

執筆者:五十川 晶子

二部に分かれて、”猿之助十八番”の伝奇ロマン復活1



3月5日から始まる国立劇場の『当世流小栗判官』(「とうりゅうおぐりはんがん」と読む。「とうせいりゅう」ではない)、「猿之助十八番の内」と銘打ってあるように市川猿之助一門の役者陣による、日本の古い物語を基にしたスペクタクルとロマンにあふれる長編の舞台だ。

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小栗判官の物語といえば、中世の説教節を基に、江戸時代も浄瑠璃や歌舞伎にとりあげられてきた人気のジャンル。近松門左衛門の『当流小栗判官』などをふまえ、改めて再構成され、1983年歌舞伎座で市川猿之助によって初演。以来7回の上演を果たしてきた作品だ。市川猿之助が家の芸として選定した「猿之助十八番」の一つとなっている。(スーパー歌舞伎として『オグリ』という別バージョンもある)。

説教節とはつまり、山伏などが仏教の様々な教えや霊験を、寺社に人を集めて語リ聞かせることから発した芸能という。その後三味線などを取り入れ、人形劇とも組んで興行するようになり、江戸初期に非常に盛り上がったとされている。その後、人形浄瑠璃や歌舞伎に盛んに取り入れられた。

ついでに小栗判官というのは中世の伝説上の人物で、数々の武勇伝・英雄譚の持ち主。今回の『当世流小栗判官』では、第一部では御家騒動から始まって、小栗得意の馬の碁盤の上での曲乗り、忠臣達による決闘、第二部では小栗の妻・照手姫と病に倒れた小栗との道行、小栗の復活の宙乗り、そして大団円という、スケールの大きい、ファンタジックな時代物となっている。


と簡単に紹介してみたが、僭越ながらまずは筆者が観た1997年歌舞伎座での7演目の印象を紹介したい。
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