歌舞伎/歌舞伎関連情報

着物で観劇デーもあるゾ 新年だからこそ歌舞伎!(2ページ目)

歌舞伎が初めての人も、そうでない人も、お正月に歌舞伎ってほんとに相性のイイものだ。着物で芝居見物ときたひにゃ、もう怖いものなし! 初めてならなおのこと、初春の歌舞伎は歌舞伎デビューにうってつけだ。

執筆者:五十川 晶子



国立劇場 平成16年初春歌舞伎公演  興行内容の詳細はココ

『浮世柄比翼稲妻(うきよづかひよくのいなづま)』三幕
特に大詰の通称「鞘当(さやあて)」と呼ばれる場は、これぞ歌舞伎!といいたくなるような歌舞伎のエンタメ・エッセンスたっぷりだ。歌舞伎踊りを初めて踊った出雲のお国の恋人・名古屋山三(なごやさんざ)に坂東三津五郎、そのライバル・不破伴左衛門(ふわばんざえもん)に中村橋之助、二人が争う花魁(おいらん)・葛城太夫に中村福助。この山三と不破。言ってしまえばケンカするわけだが、これでもかというくらいの名台詞の応酬に圧倒。華やかな色町の舞台にも目を奪われる。


新春浅草歌舞伎

毎年、浅草の歌舞伎といえば、毎年話題の若手の役者がそろうのが楽しみだ。歌舞伎座や国立劇場は、先輩の幹部クラスの役者の皆様にお任せ。浅草はぐっと平均年齢も下がったフレッシュな魅力にあふれる舞台がウリだ。顔ぶれも、今乗りに乗っている中村獅童、勘九郎の2人の息子たち・勘太郎と七之助、去年襲名したばかりの市川男女蔵(おめぞう)、そして若手実力派の最右翼・市川亀治郎。
演目は『三人吉三』『毛抜』『吉野山』で、それぞれ昼夜、ダブルキャストとだ。昼も夜もどっちもよーく見比べようというのが正しい観方かも。
『三人吉三』はあの「月も朧に白魚の」の七五調のせりふが有名だが、そんなこと知らなくても全然オッケー。お嬢、和尚、お坊という、幕末・江戸の闇を闊歩する三人のワルの魅力にうっとりするためにあるような一幕だからだ。
浅草歌舞伎では、1月5日に着物で歌舞伎デーが設けられているが、もちろんこの日でなくても着物で観劇してみたい。銀座(歌舞伎座)はともかく、半蔵門(国立劇場)だとちょっと「気が重い?」という人も、浅草なら気軽に着物で歌舞伎に挑戦できるかも。



客席が華やかだと舞台も盛り上がる?

舞台から客席は意外によく見えているものらしい。
と、聞くとちょっとドキッとしませんか?
劇場といえばかつては、社交の場として着物で観劇する人が多かったのだ。また観劇は「ハレの日」。特別なイベントだからこそ、きちんと和服の正装で、という客も多かった。たとえば昭和40年くらいの舞台映像などを見ると、客席はまだまだ着物客が多かったことが分る。
その後何度かの歌舞伎ブームが訪れ、同時に世の中に観劇以外のエンタメがものすごい勢いで増えていった。歌舞伎というジャンル自体も相対化され、歌舞伎を観ることが全く特別なことではとうになくなった。誰でも気軽に観るようになり、それと反比例するように着物での観劇人口は激減していった。
コレ当然のことだろう。このこと自体は悪いことでもなんでもないと思う。
だが、
「やはり着物をお召しになったお客様が多いと、客席がきれいに見えるんですよね」というある俳優さんの気になる発言もある。

着物が無理なら洋服でもちろんいい。やはり晴れ晴れ気分、華やか気分を舞台の上の方々にも感じてもらうためにも、ちょっぴりオシャレして出かけたい。その方が肝心の舞台もぐっと盛り上がるかも?!
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