歌舞伎/歌舞伎関連情報

「行儀良い稽古」を目差して 大谷桂三さんの歌舞伎講座

15日から始まった毎日新聞カルチャーシティ渋谷校では、「何だか歌舞伎役者になったみたい」という、刺激的なタイトルの講座が始まった。その初日におじゃました。

執筆者:五十川 晶子

15日から始まった毎日新聞カルチャーシティ渋谷校では「何だか歌舞伎役者になったみたい」という、刺激的なタイトルの講座が始まった。従来にありがちな座学形式の、「歌舞伎入門」のような講座ではなく、受講生全員浴衣に足袋着用で、実際に身体を動かし、台詞を吐いて稽古する講座になる(らしい)。その初日におじゃました。



講師は尾上菊五郎劇団を経て14世守田勘弥の芸養子となり、現在フリーで活躍する大谷桂三さんと、やはり尾上菊五郎劇団で立ちまわりと得意とする尾上松辰(しょうたつ)さんの二人だ。大谷さんは明治大学や慶応大学の歌舞伎研究会でも指導している。

受講生は初日は8人(ちょっと少ない?)。自己紹介や指導内容の希望を述べ合って、おもむろに松辰さんが刀の小道具を取り出してその持ち方、差しかたを指導。もちろん偽の刀であり本当は軽いのだが、これを本物らしく、ずっしりとした重みを感じさせるように持つ難しさを語った。

「行儀の悪いのはいやです」と松辰さん。教える者と教わる者の間の礼儀を大事にすることが、歌舞伎の稽古の基本と語り、お辞儀や姿勢、挨拶を稽古した。また「腰が入った」状態の姿勢というのが歌舞伎の身体の基本。これがなかなか難しそうだ。全員で「腰を入れた」状態でしずしずと歩いてみる。

「実はこれが一番難しい。でもここができるとうまくなるのが早い」(松辰さん)。桂三さんが袴姿で実際に着座し、正座してお辞儀をしてみる。全員揃ってお辞儀をしてみるが、さすがにプロ。桂三さんのお辞儀の形の美しさが際立つ。

今後この講座では、「同じ台詞を役柄で言いわける」稽古や、役柄による歩き方など、具体的な実演の稽古に入っていくという。実際に何ヶ月後かには、一つの演目を演じてみるところまでやってみるのが目標だ。演目は「白浪五人男」た有力なようだ。

「とにかくふだんは男ばかりの世界で稽古してますから、ときに女性の方には失礼なもの言いになるかもしれません。どうか許してください。先に謝っておきます(笑)」という場面も。できるだけ受講生の要望に沿う形で進められる予定だ。さて最終的にどんな「役者」達が誕生するのか? ちなみに受講生は老若男女さまざまで、中には役者の声色を得意とする若い女性も!?

問い合わせ 03-3477-8969(代)
受講料 10月、1月期とも18,000円
入会金 5,000円
持参品 足袋、浴衣、舞扇など
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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