5人のカメラマンの競演「別冊 釈由美子」

「別冊 釈由美子」講談社 ; ISBN: 406179387X 1900円。

総合評価☆☆☆☆★

はじめて見せる・・・。「これ、ホントにスゴイんです!」をキャッチコピー
に、集英社から発売された「別冊釈由美子」。この写真集の特徴は5人のカメラマンによる競演だ。一冊の写真で複数のカメラマンというユニークなコンセプトで制作された「別冊釈由美子」。今回の写真集では、沢渡朔、舞山秀一、斎門富士男、飯田かずな、野村誠一の5人のカメラマンがそれぞれのコンセプトで撮影している。一冊の写真集で、ほぼ同じ時期の同じタレントを撮影するとあっては、各カメラマンとも少なからずライバル心も芽生えるだろうし、読者側にとってもそれぞれのカメラマンが力を入れたショット、ポーズ、コンセプトを堪能できる点で評価できる。

舞山秀一氏
釈由美子の持つ魅力の大きな武器であるしなやかな肢体、均整の取れた体のラインを強調するための工夫が多く見られる。本書の中で舞山秀一氏の部分は、胸の谷間やバスト周りの撮影は一つもない。でありながら、下に何もまとわず長い前掛けのみで背中、腰、ヒップ、ふくらはぎまでの素肌をあらわにしたり、前を隠したまま、背中から腰までのラインでインパクトを放射できるところはまさしく、釈由美子がいかに、均整の取れた筐体を持っているかという証明でもある。各写真が背景白一色の中の彼女の筋肉の陰影が各写真に写りこませているのも迫力を増させている。

野村誠一氏
数々のアイドル写真集を手掛ける大御所、野村誠一氏。おそらく5人の中ではアイドル写真を手掛けた回数は群を抜くであろう野村氏。もちろん氏の得意分野ということになる水着、すなわち胸元にフォーカスしたショットを多数用いる。大人の表情、哀願の表情で胸元をひろげながらベッドに横たわる。釈由美子には「陽」「動」のイメージが強いので、「陰」「静」の釈由美子は真新しく感ずる人もあると思う。ただ、個人的にはもう少し「近め」の写真、さらには釈由美子の場合、寝そべったり、よりかかるものではなく、「脚」でしっかりスタンドアップした写真で胸元を強調するショットが数点欲しいと思った。

斎門富士男氏
今回の一つの注目点とも言える斎門富士男氏。斎門富士男氏といえば葉山の洋館で30匹の猫と暮らしながら、猫の写真集なども出したりしているが何と言っても新潮社の月刊シリーズ。写真集という限られた世界の中で、アイドルタレント達に冒険させてしまう写真家。もし「月刊 釈由美子」が出版されたなら「買い」だな。と思っていた自分にとっては一つのポイント。最初の2ページ抜きの場面では、太いロープで後ろでベッドにくくり付けられたり、話題になった鏡の自分に舌を露出してのキス、口紅を自分の顔、身体にちらしながらのマネキン人形とのキス、など月刊テイストは出ているのだが、もっともっと釈由美子という素材を活かした方向でも見てみたい。これは今後月刊シリーズなどで登場する時にでも見てみたい。


飯田かずな氏
フジ系つんくタウン、オムニバス映画「東京★ざんすっ」、「マッハ★85」映画監督などを行うなど活動的な女性写真家。前の三者が完全な男の視点から描かれているのに対して、女性の視点、つまり「かわいらしさ」からの視点で釈由美子を演出。ブラ&ミニ系のウエディング姿、革調のナース服、短パン、タンクトップのボクサースタイル、バニーガール姿などコスプレ要素もある。飯田かずなより前者3人のカメラマンとは対照的に、白い歯がまぶしい愉快なショット。コミカルさと笑顔と脚線美を中心にまとまめている。

沢渡朔氏
沢渡朔氏も数々の名作を残した大御所。今回は読者にうれしい裏技を披露してくれている。裏技は、釈由美子のプライベートの初公開。撮影は自宅マンションで行われ、ベッドルーム、化粧台、キッチン、バスルーム愛犬なども間取り図付で見ることができる。また、撮影で身にまとっているランジェリーはプライベート物と、まさに釈由美子プライベートの大公開である。愛犬に囲まれながらの表情は、素の表情そのままで貴重な写真だ。ランジェリー姿でボディートレーニングするショットはどの写真よりも釈らしくキュートながらセクシーであった。

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