奥菜恵「THE OKINA」のHAWAI編写真集 96ページ ISBN: 4255001782 2381円。総合評価☆☆☆★★
奥菜恵の芸能生活10周年を記念写真集三部冊「THE OKINA」のHAWAI編が発売。9/1のHAWAII編を皮切りに、10/1の東京編、11/1のパリ編と続く。公式サイトhttp://www.okinamegumi.net/
奥菜恵は結構写真集も出しており、過去の作品は清純な奥菜恵。明らかに「美形」で清純なイメージの奥菜恵が水着を着るだけで購買意欲が駆り立てられる。そんなところが人気の奥菜恵だった。1995年に発行された初写真集「meg now」の表紙を見てもらえばわかるが、もちろん16才当時の写真集であり、このあたりからの写真集は清純な奥菜恵がパワー全開である。岡田奈々、菊地桃子のような静的、清純、アイドルの王道ともいうべきイメージだ。
1996年には初挑戦のミュージカル「アンネの日記」で主人公アンネ役を熱演。ゴールデン・アロー賞演劇新人賞を受賞する。このゴールデンアロー賞演劇新人賞の女性受賞者には、木の実ナナ、大竹しのぶ、岸本加世子、石田えり、石田ひかり、西田ひかるなど蒼々たるメンバーが受賞しており、この時から奥菜恵の女優としてのスタートといても過言ではない。
そんな奥菜恵のひとつの転機が2000年6月の松尾スズキ氏作のミュージカル「キレイ」への出演。このミュージカルあたりから奥菜恵の表現手法が多様化する。zakzakのインタビューにも掲載されているが、松尾氏との出会いが彼女の表現スタンスを幅広いものに変えていったようだ。ZAKZAKのぴいぷるに掲載されている本人の言葉には
「きれいなもの、いいものだけを見せて、汚いものは割と隠すような、そういう自分が好かれていた。周りの思いが強くてそういう虚像を作っていたような。松尾さんと出会って、『そういう自分でいなくてもいいんだ』と分かった。自分はいろんな顔を持っているし、もっといろんな自分を出していきたい」（ＺＡＫＺＡＫ、ＰＥＯＰＬＥ掲載）zakzak people
とある。それを裏付けるように直後の月刊シリーズでの写真集での表現も従来のものとは極端にスタンスが変わった。「月刊奥菜 恵」では写真集での表情も一変。全面的に大人の雰囲気をアピール。そもそも月刊シリーズ自体が過去の雰囲気を一変させる効果をもっているとも言える。月刊しリースは必ず何かテーマが隠れているような深読みをさせてくれるし、月刊シリーズならではの表情を引き出す。脱清純派はもちろん写真集にも見て取れる。「月刊奥菜 恵」（2000年7月）は艶っぽい表情、鎖骨、大幅に広げられた胸元など大人の色気を全面に出した一冊であったが、月刊が陰な感じだとすれば今回の「THE OKINA in HAWAII」はHAWAIIの日差しが写真一枚一枚に投影されている陽な感じ。
見えそうで見えないバスローブ姿は胸の谷間ではなく、バスト下方部のチラリズム。今回の写真集ではバストを強調したものは少ないがバスト下方部が映し出されたショットは貴重。話題にもあがったTバック姿は、ヒップ全面を出すものではなく、カウボーイ姿のジーンズで腰下までカバーされている。ただ、上も金太郎の前掛けのような紐ベースの衣装のため、腰をくねらせた背面からのショットは、ボディーラインをあらわにする。おむすびらしき物を冷淡に頬張るシーンは、今までにない奥菜恵のチャレンジの一つといえるだろう。
清楚なお人形のようで寡黙な美しさを持つ従来の写真集と果敢に表現する写真集。奥菜の場合は前者がいい！という声もあると思われるがやはり多様な表現力へのチャレンジはハッとさせられる事も多いので評価したい。しかしながらHAWAIIだから水着姿が欲しい！という点は否めないだろう。
