2006年の洋画低迷の理由は?
『ハリー・ポッター炎のゴブレット』は2006年度洋画ナンバーワンの110億円の興行収入。 |
ハリウッド作品については、続編やリメイク作が多いことから、題材不足や、オリジナリティの低下が、ヒット作品の減少を招いているなどと、言われています。
ですが、映画が誕生して112年。アイデアもストーリーも出尽くしているのは当然のこと。また、続編やシリーズものは、確実にある程度の観客が計算できるため、柳の下のどじょうを狙う製作者や配給会社も多いのです。
2006年度の洋画の低迷の理由は、そもそも2005年度のアメリカでの興行収益が、前年に比べて落ち込んだためではないかと思います。ほとんどの洋画は、アメリカでの公開からしばらくしてから日本にやってきます。2005年度では、アメリカでもヒット作は少なかったため、その映画が、日本に来ても大ヒットするのは難しかったのではないでしょうか?
アメリカでは、2006年の興行収益は、2005年より大きくなっています。収益の低下に危機感を持った製作会社が、気合を入れて作品を次々投入しているのが目に見えるようです。
単発作品の大ヒット
『ナイト・ミュージアム』と『300<スリーハンドレッド>』
『ナイト・ミュージアム』(C)2006 TWENTIETH CENTURY FOX |
『ナイト・ミュージアム』は、児童向けの本が原作。『300スリーハンドレッド』は、コミック本の映画化作品ですが、シリーズものでも続編でもない作品が、たちまち2億ドルを突破する大ヒット。他作品にも波及する大きな勢いを与えているようです。
日本でも、公開中の『ナイト・ミュージアム』は、現在までに38億円レベルの大ヒット。単発オリジナルの作品でも、良い作品なら観客に訴える力が大きいことを証明しているような気がします。
『ナイトミュージアム』
20世紀FOX配給 3月17日(土)より日比谷スカラ座ほか全国ロードショー
(C)2006 TWENTIETH CENTURY FOX
公式サイト
今年の春までのヒット作は既に9作
『硫黄島の手紙』が、2007年今現在の興行収入ベストワン。 |
1月以降の公開作では、現在までに、『マリー・アントワネット』が同じく22億円、『ディバーテッド』が、16億円、『幸せのちから』が31億円、『ドリームガールズ』が19億円、『ナイト・ミュージアム』が、38億円、『ハッピーフィート』が、16億円、『ホリディ』が、12億円と、現在までに9作品が、10億円を突破しています。(1ドル120円で計算した4月22日までの概算)
2006年では、年をまたいだ、『ハリー・ポッター炎のゴブレットが、110億円、『Mr.&Mrs.スミス』が46.5億円、『キングコング』が、23.6億円、『SAYURI』が15億円、『チキン・リトル』が、26.8億円。
昨年の1月以降3月までの公開作では、『フライトプラン』の31.2億円と、『ナルニア国物語 第一章:ライオンと魔女』の68.6億円の2作品しかありませんでした。(全て最終興行収益結果)
2006年、3月以降の100億円レベルの大ヒット作には、『ダヴィンチ・コードや『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズチェスト』がありましたが、10億円を超えた作品が、全体で22作品。中ヒット作が、例年に比べて少なかったようです。
今年は、今後話題作が次々と公開されていきます。邦画との競争という面は別として、興行収益は、去年とは違うレベルで推移していくはずです。
次ページでは、一押しヒット作候補を一挙紹介。