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M‐1グランプリ2007を振り返って(2ページ目)

2007年のM‐1は、伏兵サンドウィッチマンの優勝で幕を閉じました。他の決勝メンバー以上の実力の持ち主が突如現れたことで、マスコミも例年以上に関心を持ってるようです。という訳で今年最後はM‐1総括でいきます。

広川 峯啓

執筆者:広川 峯啓

お笑い・バラエティ番組ガイド

最終決戦に起きた「不運」

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『M-1グランプリ 2006完全版 史上初!新たな伝説の誕生~完全優勝への道~』(よしもとアール・アンド・シー)
まだ記憶に新しいチュートリアル優勝の軌跡が
対照的に、下馬評どおりの実力を発揮したのがキングコングとトータルテンボス。おそらく2組とも、一年前からここに照準を定めてネタをチョイスし、豊富な練習量と舞台経験を積み重ねてきたものと思われます。その甲斐あって、どちらも最終決戦に進出。ここでも実力を存分に発揮することができました。

にもかかわらず、惜しくも優勝を逃した理由を考えてみると、一つには「運の悪さ」があるのかもしれません。キングコングが2本目に演った「台風リポーター」のネタは、偶然にもハリセンボンが演った「お天気お姉さん」のネタと、テーマが被りました。もちろん内容は全く別物ながらも、客席は多少意識したかもしれません。

ただ一方のトータルテンボスは、冒頭で「ホテルフロントマン」、2本目に「旅行代理店」と確信犯的に似通ったテーマのネタを選んできました。目論みどおり最終決戦も大受けしましたが、そのせいか制限時間の4分を30秒近くオーバー。サンドウィッチマンとの差が接戦だっただけに、この点を重く見た審査員がいたとも考えられます。

サンドウィッチマンの劇的優勝

見事栄冠を勝ち取ったサンドウィッチマンは、実力を充分発揮しての勝利であり、敗者復活からの勝ちあがりとは言え、他の決勝メンバーと比べても、まったく引けをとる所はありませんでした。知名度を除いては(笑)。

これまでも実力は充分認められ、「エンタの神様」「虎の門」「笑点」などのテレビ出演もありながら、大多数の視聴者が今回のM-1で初めて知ったのではないでしょうか。ただ、これまでにもお笑いライブ等の舞台で、その実力を十二分に発揮してきたため、お笑いファンや業界関係者の間では、今回の優勝も納得できる結果だったようです。

ネタのベースはかなりオーソドックスなもので、当ガイドは始めて見た時に、往年のコント・レオナルドを思い出したほど。もちろん、挟み込まれるギャグやテンポは、いまの空気を反映しているため、幅広い層が違和感なく爆笑できます。

今後は漫才、コントだけでなくバラエティやトーク番組の仕事も爆発的に増えることでしょうが、M-1司会の今田耕司とのやり取りを見ていると、フリートークも充分行けることがお分かりでしょう。さっそく年末年始の生特番のオファーが殺到してるとのことなので、2007年最後、そして208年最初のブレイク芸人となることは確実でしょう。

次のページでは、最後に「言い訳」を一つ……。
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