「田舎」ってこんなに面白かったっけ?
田舎のオバチャンとも演技派俳優とも即興でコンビの組める鶴瓶師匠の名舞台を。 劇場スジナシ東京公演 出演:笑福亭鶴瓶ほか |
田舎暮らしの一番の魅力といえば、やはり雄大な自然と接することができる点にあるでしょう。畑で野菜を作ったり、近くの川で釣りをしたり。都会のわずらわしさからの解放というのも、テーマの一つなのかもしれません。ところが、テレビで人気の「田舎番組」といえば、アプローチの仕方が180度変わってきます。
地域住民とのお喋りが重要コンテンツ
『1億人の大質問!?笑ってコラえて!』(日本テレビ系)の人気コーナー「ダーツの旅」のオープニングでは、ほとんど人通りのない道を進みながらも、懸命に人影を探し、ようやく「発見」した住人を「第一村(町)人」と銘打ってインタビューするのがお約束です。『鶴瓶の家族に乾杯』(NHK)は、必ずしも田舎ばかりを訪ねる番組ではなかったんですが、いつのまにか田舎巡りが定番になりました。司会の笑福亭鶴瓶といえば、誰と喋っても面白トークになってしまう「名人芸」の持ち主だけに、こちらも地域の人との触れ合いがメインになっています。
『田舎に泊まろう!』(テレビ東京系)は、タイトルだけで番組コンセプトがわかってしまう珍しい番組ですが、泊めてもらうために地域の住民にお願いし、交渉するというコミュニケーションが、番組の売りの一つ。いろいろな事情で断る家も少なくありませんが、そこもNGにはせずに、そのまま伝えているところが、番組の新しさであり、興味をひくところなのです。
これら3番組に共通する特徴が「事前調査を最小限に抑えている」ということでしょう。つまりこの点が、従来の旅番組や、地域ふれあい番組とは大きく違っています。
次のページでは、これまでの旅番組との最大の違いをご紹介します。