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トーク番組はほんとうに「戦場」なのか?(3ページ目)

バラエティの中でも人気の高いトーク番組。もともとは肩のこらない気楽なお喋りを楽しむものだったのに、いつのまにか出演者が緊張して臨む、晴れの舞台へと一変しました。そんなトーク番組の裏側に迫ります。

広川 峯啓

執筆者:広川 峯啓

お笑い・バラエティ番組ガイド

数度のリニューアルで生まれた「さいころトーク」

 
ある意味「ごきげんよう」から生まれた名コンビ(小堺一機 & 柳沢慎吾LIVE ライブマン★コミック君!! テレビくん登場の巻)
「さんま御殿」のヒットにより、お笑いをメインにしたトーク番組は激増しました。「ダウンタウンDX」(日テレ)のスタートは、「さんま御殿」より以前のことでしたが、その後何度も番組コンセプトを大胆にリニューアルしており、現在のスタイルには、かなり研究の跡が見られます。

そのほか「ロンドンハーツ」「アメトーク」(ともに、テレ朝)などもフォロワーズと言っていいでしょう。また、こうしたお笑いトークのコンセプトに、大胆なアレンジを加えた「人志松本のすべらない話」(フジ)は、不定期番組ながら、シリーズをまとめたDVDが、20万枚以上の売上げを記録するなど、いまもっとも注目されているバラエティのひとつです。

心がけ次第でグンと高くなるハードル



これらとは一線を画した人気トーク番組に、小堺一機司会の「ごきげんよう」(フジ)があります。「さんま御殿」と比べると、様々な点で対照的な作り方がなされていることに気付きます。

この番組最大の特徴は何と言っても、サイコロを振って出たテーマを、ゲストが喋らなければいけないということでしょう。「さんま御殿」の場合は、ゲストの喋る内容は決まっていますが、「ごきげんよう」ではトーク内容を綿密に打ち合わせておく事ができません。

また、たっぷりと時間を掛けて収録した後に、編集で大幅にカットしていく「さんま御殿」に対して、「ごきげんよう」は毎回収録したものを、ほぼノーカットでオンエアしています。これは特にお笑い芸人にとって、かなり高いハードル設定である筈です。

出演者の「ランク」が見えてくる!?



テーマが6つだからといって、6種類のネタを用意しておく必要はありません。それでも、前もって幾つかは仕込んでおかなければならないし、ネタが受けるかどうかは、自分次第という厳しさがあります。

ちなみに、月~金の帯で放送しているこの番組。毎週、1日で5本分を収録しているとのこと。通常のゲストは必ず3日分出演するので、月火水に登場する人は1回の収録で間に合いますが、木金からスタートする人は2週に渡って収録に参加する必要が出てきます。

それを分かった上でゲストを見ていると、偏見かもしれませんが、新人や若手は木金スタートで、売れっ子は月火水スタートのように思えます。こうした裏側を想像しながら見るのも、バラエティ鑑賞法の一つとしてどうでしょうか?

ある意味、ここも「さんま御殿」以上に、ひとつの「戦場」なのかもしれませんね。

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