「やぐちひとり」は常にわが道を行く
やぐちひとりDVD Vol.2 |
番組セットも、どこかの事務所の一角としか思えない簡素なもので、基本的にはメインの2人が机を前にして終始座っているだけ。いくら深夜とはいえ、シンプル過ぎって気もします。それでも、2人のコンビネーションは最高で、コーナーや台本から離れたトークが、これほど面白い番組は珍しいのでは。
誰も知らない「トレンド」が続々登場
企画のほうも、ひとりが得意なルービック・キューブに30分延々と取り組んでるだけの回があったりと、かなり破天荒。開始当時の「矢口たちがお勧めのエンタテインメントを紹介していく」というコンセプトからは、かなりズレまくってるようです。
スタートから2年近く経って、矢口・ひとり共に人気、知名度ともにアップしたこともあり、時期的にもう少し早い時間への昇格も期待されていますが、なんとか現在のチープさはそのまま保ってほしいものです。
ビートたけしの新境地
次は、世界の北野ことビートたけしが、いま一番生き生きとして見える番組「たけしのコマネチ大学数学科」(フジテレビ 25:20~25:50)(構成・安達元一ほか)を紹介。司会進行はガダルカナル・タカと戸部洋子アナ。
ここ最近、数学への興味を口にするようになったビートたけしが「マス北野」との名で解答者となり、毎回1問の数学問題(パズル?)に挑戦するという異色のバラエティです。
広い意味で捉えれば、クイズ番組の一種なのかもしれません。そうなると「もっとも出題数の少ないクイズ番組」というキャッチフレーズを付けることも可能になってきますね。
30分という時間を優雅に使う
なにしろ30分の中でたった一問しか出題されないというのがミソで、毎回出題されるのは、ちょっとやそっとじゃ解けない、手ごたえのある難問ばかり。たけしが毎回、それらの問題に普段は見せない真剣な表情で取り組んでいるところが、最大の見所と言っていいでしょう(笑)。
ただ、あくまでもバラエティ番組なので、たけし軍団が活躍する笑えるコーナーもあり、終始退屈することのないよう構成されています。また、解答の解説にも充分な時間が取られているため、数学の苦手な人にも理解でき、何だか頭が良くなったような気さえしてきます。
ただ残念ながら、いくらビートたけしの力を持ってしても、この番組がゴールデン進出を果たす事は困難では。これまでの「たけし&たけし軍団」のバラエティと比べると、格調の高さは飛躍的に上がっているのですが、興味深い一つの問題にじっくりと取り組むというコンセプトが、まだまだ多くの人が試聴する時間帯では受け入れられにくいように思えます。
深夜に東京都広報番組があるなんて知ってました?