医療保険/医療保険の見直し方

終身型医療保険の見直し時は?(2ページ目)

終身の医療保険に加入していても生涯安心できるとは限りません。時代によって求められる保障が違ったり、貨幣価値が変わったりするからです。どのような時に、新たな医療保険へ加入し直すのが良いのか、または継続するのが良いのか判断ポイントをまとめてみました。

松浦 建二

執筆者:松浦 建二

医療保険ガイド

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終身医療保険の保障を見直す時の重要ポイント

損をしてまで保障の見直しはしたくないわ

損をしてまで保障の見直しはしたくないわ

貯蓄性のある終身医療保険の保障を見直す場合は、必ず事前に解約返戻金の額や返戻率を確認して下さい。解約返戻率は常に一定ではなく、加入後しばらくは限りなくゼロで、5年経過するあたりから急に上昇していき、多くの場合70歳前後で返戻率のピークがくるようになっています。その為、加入してから20年や30年が経過していれば、それなりの返戻率になっていてまとまった解約返戻金を期待できますが、加入して数年で解約してしまうと、解約返戻金はほとんどなく、保障内容が同じ掛捨てタイプの医療保険に加入した場合に比べて、かなり割高な保険料を払った結果になってしまいます。

例えば、ある医療保険で保険期間が終身、保険料払込み期間が60歳までの場合、月々の保険料は3,730円になります。解約返戻金は5年後に59,850円(返戻率27%)、10年後に265,020円(59%)、15年後に417,290円(62%)、20年後に583,775円(65%)となっています。仮に加入してから5年後に保障の見直しをして解約するとなると、支払った保険料合計は223,800円、解約返戻金が59,850円、実質の負担額(保険料と解約返戻金の差)は163,950円となり、月あたりでは2,733円になります。20年後の場合では、支払った保険料合計895,200円、解約返戻金583,775円、実質負担額311,425円、月あたりで1,298円になります。

もし同じ保障内容で保険期間と保険料払込み期間が10年の定期タイプの医療保険に加入していれば、最初の10年は月々1,305円、更新後の10年が月々1,475円なので、5年後に解約の場合は、結果としてかなり割高な保険料を払ったことになってしまいます。20年後の解約では定期タイプよりも割安な保険料だと言えるので、保障の見直しをするのに悪くないタイミングであり、過去20年間の保障も賢い選択であったと言えます。

このように、貯蓄性のある終身の医療保険は、解約の時期によって保険料が割安にも割高にもなります。保険料の損得は保障の見直しをする際のひとつのポイントに過ぎませんが、誰でも割高な保険料は払いたくないはずです。

終身型医療保険は見直す?継続する? 

貯蓄性のある終身の医療保険については、大きな問題が生じない限りは継続することが望ましいです。ただ、世の中が大きく変わってしまって保障内容に安心できなくなってしまった時は、保険料の損得も考慮しながら見直しを検討してみると良いです。

掛捨ての終身医療保険の場合については、見直しのタイミングが違ってもあまり保険料の損得に違いはないので、必要と感じた時に保障の見直しをすれば良いです。ただ、近い将来にまた保障を見直すつもりなら、終身医療保険に加入するよりも10年間等の定期医療保険に加入する方が保険料は安くなるります。

終身の医療保険は述べてきたように決して完璧な保険ではありませんが、加入して保険料を払っていれば、その後、病気になってもケガをしても保障は終身で続きます。大病を患わないと実感できないかもしれませんが、身が終わるまで保障があるということは本当に有難いものです。見直しするとか継続するとか言えるのは健康なうちだけです。いつ健康でなくなっても保障を失うことのないよう注意した上で、納得のいく保険選びをしてみて下さい。


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