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オレンジリボンとは?児童虐待防止を考える機会に(2ページ目)

少子化なのに、増え続けている子どもへの虐待。虐待を防ぎ、傷つく子どもたちを救うためのシンボルマークがオレンジリボンです。虐待を防ぐだけではなく、現代の子育てもやさしく見守ってくれます。

筑波 君枝

執筆者:筑波 君枝

ボランティアガイド

 

虐待を防ぐシンボル「オレンジリボン」

オレンジリボン1

ママが笑顔でいるために、子育てを見守ってくれる存在はとても大切です

「虐待は精神的にも経済的にもギリギリに生きている親の元で起こることが少なくありません。余裕がないため、外に連れ出したりしないことも多く、子どもがいることすらわからないことも多々あります。だから多くの人の理解と地域の目、そして虐待を防ぐためのネットワークが大切なのです」

All About子育てガイドとしても活躍するNPO法人児童虐待防止全国ネットワーク理事の高祖常子さんはそう話します。

児童虐待防止のシンボルとして身につけてほしいと徐々に広がっているのが、オレンジリボンです。オレンジリボンを身につけることで、虐待防止を広くアピールし、子どもが虐待されることのない社会を目指す意志を表します。同時に虐待を受けている疑いのある子がいたら、関係機関に連絡する役割も期待されているのです。
 

虐待を防ぐには、周囲の人の目が大切

子どもの虐待と聞くと、母親としてガイドはドキッとしてしまいます。自分の子育てと重ね合わせて、私は大丈夫かな?という気持ちになるのです。虐待のニュースを見ると、私の中にこの親と同じものがないだろうかと、重たい気持ちになることもあります。

核家族化が進み、地域のつながりも希薄な現代の子育てには、一歩間違うと子どもを追いつめてしまう危うさと背中合わせだといえるのかもしれません。

高祖さんは続けて話します。

「だからこそ『痛い、やめて』などの声が聞こえたり、子どもがひどく泣き続けていたり、夜遅くまで子どもがひとりで外にいたり、ベランダに出されているなどの異変を察知したら、ためらわずに公の機関につなげてほしいのです。虐待を防ぐには、周囲の人の目が大切。見つけられないと公的機関もサポートできないのですから。

たとえ子どもを虐待していても、適切なサポートがあれば、心を溶かし、親子の関係を再構築できるかもしれません。死に追いやるほどの事態に陥る前になんらかのブレーキがかけられたり、子どもを安全な場所に保護したりできるかもしれません」

幼い子どもは自分から「助けて」とはいえません。また親自身も隠そうとします。しかし、もしかしたら虐待をする親の方こそ、心のどこかで誰かに助けを求めているのかもしれません。親も子も追いつめられている。そういったときに虐待が起こるのなら、適切な機関につなぐ人が増えれば、不幸な結果は確実に減らすことにつながるはずです。

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