宝塚音楽学校入学試験は、毎年3月下旬に行われます。
その入学試験方法が、2009年より大きく変わっています。
それまでも、学校自体の方針は時代に合わせ改革されてきました。授業科目の変更、規則の変更、制服の変更、高等学校卒業資格習得制度や奨学金貸与制度の導入等々。しかし入試方法は長年変わることはありませんでした。
どこがどう変更したのかは後にお話するとして、まずは、なぜ変更するのか…?
なぜ変更されるのか?
長年、宝塚音楽学校入学試験は、倍率約20倍(過去最高48.2倍)の狭き門。そして受験資格は15歳~18歳まで。チャンスは限られています。
それを突破したいと願う受験者である少女たちの多くは、実技の試験科目である声楽やバレエなどのレッスンに通い試験に挑んできました。でも誰もがレッスンを受けられる境遇ではありません。
私の元にも、宝塚音楽学校を受験したい少女たちから、こんなメールが届きます。
「地方に住んでいるので、声楽やバレエの教室がありません。」
「宝塚受験専門の教室などに通わないと、合格できないのですか?」
「バレエや声楽を習っていません。なのに受験してもいいのでしょうか?」
その度に“声楽やバレエを習っていなくても受験できる”“習っていなくても合格した人、後にスターになった人もいる”という事実をお返事してきました。
しかし2008年までの声楽やバレエの試験内容が、未経験者には高度なものであったと、受験経験者でもある私は思います。願書に書かれていた試験内容を読んでも躊躇し、理解できなかった少女たちも多かったことでしょう。
レッスン未経験者より経験者の合格率の方がはるかに高かったことも確かです。だから、まずは試験会場で戸惑わないよう、そして難関を突破したいからとレッスンに駆けずり回る少女たちがいるのです。