宝塚ファン/宝塚歌劇団 トップスターの変遷

雪組トップ・朝海ひかる、舞風りら―退団(3ページ目)

2006年12月24日―雪組トップスターコンビ・朝海ひかるさんと舞風りらさんが宝塚歌劇団を卒業しました。踊れるトップコンビとして、数々の名シーンを残しました。

桜木 星子

執筆者:桜木 星子

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娘役、女役も多かった朝海さん。
1993年『ラ・ノーバ!』では真矢みきさんの後ろで踊ったり、『ハイペリオン』では紫吹 淳さんを相手に可愛らしいヴィーナスを。香港公演の白鳥Sも美しかった…
『ノバ・ボサ・ノバ』では、魅惑的なブリーザと、コケティッシュなメール夫人。
トップになってからも、ショーでは妖艶でキュートな女役を見せてくれました。

芝居でも、『月夜歌聲』のアンシア、『風と共に去りぬ』のスカーレット、『ベルサイユのばら』のオスカルと、男役が演じる女役の魅力を、彼女ほど教えてくれた人はいません。

中でも『ベルサイユのばら』のオスカルは劇画からそのまま飛び出してきたよう。
女としての可愛らしさ、繊細さ、男として生きる凛々しさ、若々しさ……。


最後の役となった『堕天使の涙』のルシファー。
中性的な魅力を持つ朝海さんが演じる“この世のものではない”役は、最高に魅力的。冷たさから温かさへ、非情から愛情へと移り変わって行く心の内を、動と静で、静の中にも心の動で現しました。


そしてダンス。しっかりとした基礎の上に抜群のダンスセンス。
ダンスが特別に上手い生徒は大勢いますが、どんな振りでもポーズでも、朝海さんのようにきれいにかっこよく見せられる人はそうそういないでしょう。
難しい振りを、いとも簡単に見せてくれたり、苦しいはずの激しく長いナンバーも、軽やかに踊りきってしまうテクニックも素晴らしかった…


スタイルが抜群なゆえにどんな衣装も似合う。頭も小さいので被り物もよく似合う。
スーツに目深に被ったソフト帽。その姿だけで絵になる人でした。

そして、朝海ひかるを頂点とした雪組のコンビネーションは素晴らしく、彼女の温かい人柄を感じさせます。

また仙台出身の朝海さんは、仙台銘菓「萩の月」(菓匠三全)のイメージキャラクターとしてCMなどでも活躍しました。



舞風りら

まーちゃんこと舞風りらさんは、1995年 星組『国境のない地図』で初舞台を踏みました。

同期生には、元花組トップ娘役・ふづき美世さん、次期宙組トップ・大和悠河さん、花組の真飛 聖さんらが。

初舞台後、花組に配属。2002年雪組に組替え。紺野まひるさんの後任として雪組トップ娘役となりました。


主な舞台歴


花組時代(1995年5月~)

1996年 『ハウ・トゥー・サクシード』新人公演(第1部)/ローズマリー(本役・純名里沙) *新公初ヒロイン
  『香港夜想曲』テレサ *バウ初ヒロイン
1997年 『失われた楽園』新人公演/リア(本役・千ほさち) *ヒロイン
  『君に恋してラビリンス!』パトリシア *ヒロイン 
  『白い朝』おすえ
1998年 『ザッツ・レビュー』ぽん太
1999年

『夜明けの序曲』新人公演(本役・松本悠里)/ユキ・モルガン

2000年 ベルリン公演『宝塚 雪・月・花』『サンライズ・タカラヅカ』に参加 キャリオカの女S
  『トム・ジョーンズの華麗なる冒険』ソフィ *ヒロイン
  『ルートヴィヒII世』新人公演/エリザベート(本役・渚あき)
2001年 『あさきゆめみし』全国ツアー/明石の上
2002年 『琥珀色の雨にぬれて』ジル
  『あかねさす紫の花』小月
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