その後のご活躍は、お話しするまでもありません。
「ジャングル大帝」「鉄腕アトム」「リボンの騎士」「ブラック・ジャック」「三つ目がとおる」「ブッダ」「陽だまりの樹」「アドルフに告ぐ」「火の鳥」……
幼い頃、自然を愛し、戦争を体験した手塚さんは一貫して、生命の尊さ、自然を含め生かされているものへの賛歌、科学の発達の脅威などを描き続け、その数は700余作品、60余作品のアニメーション、原稿総数15万枚以上にもなりました。
1989年2月9日。まだ60歳という若さでお亡くなりになりました。
5年後の1994年4月25日、宝塚市の宝塚大劇場のすぐそばに宝塚市立「手塚治虫記念館」がオープンしました。
火の鳥のモニュメントが出迎える入り口を入ると、そこは手塚ワールド一色。原稿や写真、キャラクターの展示、アニメを上映するハイビジョンシアター、アニメ制作体験ができるアニメ工房など、子供から、幼い頃手塚漫画に親しんだ大人までが楽しめる記念館です。
同じ年、手塚治虫原作の2作品が、安寿ミラさん、真矢みきさん、森奈みはるさんら宝塚歌劇団花組によって上演されました。
ミュージカル・ロマン『ブラック・ジャック 危険な賭け』。作・演出は正塚晴彦氏。
黒づくめの衣装。顔には大きな傷。それまで宝塚のトップスターが演じたことのない風貌のヒーロー・ブラック・ジャックが、原作の根底に流れるテーマ、生命の尊さや生きる意味と共に、宝塚歌劇として蘇りました。
そしてグランドショー『火の鳥』。作・演出は草野 旦氏。
手塚さんがライフワークとして取り組んでこられた「火の鳥」をイメージし、「愛の力のみが永遠の命を得ることのできる唯一のカギである」を命題に作られた豪華なショーでした。
宝塚歌劇を愛された手塚治虫さんがこれをご覧になったら何とおっしゃり何を感じられたか…? それを伺うことができないのが残念です。
私たちの身近には、今でも手塚治虫作品が溢れています。手塚治虫は生きています。
未来を紡いで行く人々に送られた深いメッセージ……ぜひ、ページをめくってみて下さい。
関連サイト
TEZUKA OSAMU
@ WORLD
宝塚市立手塚治虫記念館
「リボンの騎士 ザ・ミュージカル」公式ホームページ