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【宝塚用語徹底解説】 “思い出し”(2ページ目)

稽古の時に使われる“思い出し”という言葉。さて何を思い出す? どんな時に使う? 全国ツアーの稽古を例えにご紹介しましょう。

桜木 星子

執筆者:桜木 星子

宝塚ファンガイド

と…ちょっと話を突っ込んで…。

実は全国ツアーの稽古では、思い出す程度ではおさまらない場合がたくさん。
全国ツアーの出演者は本公演の約半分。おのずとみんな出演場面も増えます。

そうなるともう“思い出し”どころじゃなく、ダンスで言うと振り移し状態。本当なら振り移しではなく一から振り付けして欲しいところ。
そこをまずは自力で、そしてわかっている生徒さんに振り移ししてもらうなどして、“思い出し”ですむ生徒さんに付いて行かなくてはなりません。

“思い出し”の稽古の時には、本公演でその場面を経験したちょっと余裕のある生徒さんと、汗を流しあたふたしている若葉マークの生徒さんがいるわけです。

新しいことを覚えなくてはならないのは、やはり下級生の方が多いでしょうね。
でも7月の雪組全国ツアー『ベルサイユのばら』-オスカル編-のように、主役が変わる(本公演は朝海ひかるさんからツアーでは水 夏希さん)なんてこともあります。
主役が変わればその下もずら~っと変わる…。全く新しい役に変わり、新しい場面に出るのは必然で、稽古も大変なことでしょう。

“思い出し”の稽古が終ったら、もちろん各場面を固めて行く稽古。ここではもう、“本公演で経験済み”とか“この場面、初心者”の違いはなく、「この出演者でまた新しい作品を創る」という意識で頑張るわけです。


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