その各組には「組長」と呼ばれる生徒が1名います。
さてこの「組長」とは、どんな立場の生徒なのでしょうか…?
組長になるのは、通常、その組の1番上の学年。と言っても、長年在籍していれば誰もがなれるというものではありません。
歌劇団側から「この生徒ならば!」と任命された人です。
舞台人としての技術面においても、人柄においても、組子(=その組の生徒)から尊敬される人望の厚い生徒が任命されます。
「組長」を補佐する形で「副組長」も1名います。こちらも同様。
さて――「組長」の役目とは…?
ひと言で言うと……組をまとめ、時には組の代表となる人。
そんな組長のお仕事振りを紹介しましょう。
宝塚ファンの方々が一番よく知っている組長としての姿は、舞台挨拶でしょうね。
初日や千秋楽の舞台挨拶、退団者の紹介、行事でのスピーチなどは、組長が行います。
こうしたスピーチ原稿は、組長自身が考えます。
例えば退団者の紹介なら……退団する生徒さん本人より、タカラジェンヌになりたいと思ったきっかけ、好きだった役、退団する今の気持ちなどを聞き、そこに、“その生徒はどんな生徒だったか”などという感想を付け加えたりして、原稿にまとめます。
毎回、とても心温まる退団者の紹介は、組子を良く知り、いつも組子を見守っている組長だからこそ書けるものと言えるでしょうね。
他、公の行事は、宝塚音楽学校入学式、卒業式、宝塚歌劇団入団式などに出席し、挨拶を行います。
また、様々な式典、パーティーなどでの挨拶も。
皆さんにはあまり知られていない行事の中に、緞帳式というものがあります。
どこかの企業より、劇場の緞帳を寄付していただいた時に行うもの。(そう度々あるものではありませんけどね…)
これは開演前に行われ、組長はここでも挨拶。またこれには、トップコンビも袴姿で出席します。
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