紫吹さんの舞台を観て私がいつも感じること……それは「舞台に立つことを真底楽しんでいるなぁ~」。「私がこうすれば、観客はきっとこう感じるだろう」という辺りを、彼女は天性の触覚で感じ取っていたに違いありません。
演じて見せることを楽しみ、そして見られることを楽しみ…。舞台と客席のキャッチボール。だからこそファンは、彼女が自然に出す表情や動きに魅せられました。
「私が会いたい紫吹 淳」が、いつもそこにあったから。
18年という長い年月。それは決して、なだらかな道のりではなかったでしょう。
病気や怪我による休演も何度かありました。
それさえも肥やしにし、常に変化し、進化し続けてきた紫吹さん。
「紫吹 淳」を一番楽しんでいたのは、彼女自身かもしれません。
退団後は女優として活動されます。
5月のディナーショーを迎え、その後初めての舞台は、帝国劇場7月公演「喝采―愛のボレロ―」。先輩にあたる浜木綿子さん、花組、月組と同じ時を過ごした伊織直加さん、風花 舞さんらとの共演。この作品で紫吹さんはレヴュー・スターを演じます。本物のスターが演じるスター。期待いっぱいの第一作目となることでしょう。
男役として最後の役となった「薔薇の封印」フランシスは――永遠の命を持ち続けるヴァンパイア。
私たちの心には、男役・紫吹 淳が永遠に生き続けます。
りかちゃん……
お疲れ様。そしてありがとう。
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