宝塚ファン/宝塚歌劇の舞台とバックステージ

【演出助手】Part1 演出家になるためには助手から(2ページ目)

「一つの時代を築き上げた…」「あの話題作を作った…」「ファンが大勢いる…」……そんな宝塚歌劇団の演出家達にも、演出助手という時代がありました。

桜木 星子

執筆者:桜木 星子

宝塚ファンガイド

“ひたすら助手”の数年間が終わると、助手として担当した作品の新人公演の演出を任されるようになります。

演出家の下すでに出来上がっている作品ですが、決してその通りに演出するわけではありません。本公演とは出演者も違うわけですから、その出演者に合った演出。演出助手であっても、たった1回の公演であっても、ここではれっきとした演出家。

そしてバウホール公演にて演出家デビュー。
脚本はもちろんのこと、スタッフや出演者選びまで自分の意見を通せる自分の作品。一から創り出すことのできる自分の作品。

多くの観客にも評価されることとなり、個々の個性や力量を観客に訴える一番の勝負時と言えるでしょう。

そしてやがて……本公演の演出。これはもう言うまでもありません。

さて、現在、宝塚歌劇団には何名の演出助手が存在するか…? そう聞かれても、正確には答えられません。
なぜなら、まだ若手と言われる演出家は、作品によって演出助手も行なうからです。

本公演には通常2名(1名や3名の場合もあり)の演出助手が付きます。芝居に2名、ショーに2名というように。
ですからバウホールや本公演の演出を任されるようになっても、先輩演出家の作品に助手として付くわけです。

演出助手と聞くと「雑用を一手に引き受けます!」なんていうイメージを持たれるかもしれません。はい、雑用も一手に引き受けますよ…。

しかし、私にひと言で言わせると「演出助手とは、すべてを把握している人」。その作品のすべてを把握している人。
作品の、作品のスタッフの、作品の出演者のすべてを把握しているスゴイ人。

そんな演出助手の稽古場での仕事振りは次回に。


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