演出家の下すでに出来上がっている作品ですが、決してその通りに演出するわけではありません。本公演とは出演者も違うわけですから、その出演者に合った演出。演出助手であっても、たった1回の公演であっても、ここではれっきとした演出家。
そしてバウホール公演にて演出家デビュー。
脚本はもちろんのこと、スタッフや出演者選びまで自分の意見を通せる自分の作品。一から創り出すことのできる自分の作品。
多くの観客にも評価されることとなり、個々の個性や力量を観客に訴える一番の勝負時と言えるでしょう。
そしてやがて……本公演の演出。これはもう言うまでもありません。
さて、現在、宝塚歌劇団には何名の演出助手が存在するか…? そう聞かれても、正確には答えられません。
なぜなら、まだ若手と言われる演出家は、作品によって演出助手も行なうからです。
本公演には通常2名(1名や3名の場合もあり)の演出助手が付きます。芝居に2名、ショーに2名というように。
ですからバウホールや本公演の演出を任されるようになっても、先輩演出家の作品に助手として付くわけです。
演出助手と聞くと「雑用を一手に引き受けます!」なんていうイメージを持たれるかもしれません。はい、雑用も一手に引き受けますよ…。
しかし、私にひと言で言わせると「演出助手とは、すべてを把握している人」。その作品のすべてを把握している人。
作品の、作品のスタッフの、作品の出演者のすべてを把握しているスゴイ人。
そんな演出助手の稽古場での仕事振りは次回に。
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