度々稽古場に顔を出しダメ出しを繰り返しますが、演出家や振付家に比べ、作曲の先生が稽古場にいる時間は少ないでしょう。
では、その他には何を……?
ひたすら曲作り。
集合日までに出来上がっている曲もありますが、すべてがそうではありません。歌稽古前日にやっと出来上がった…なんていう場合も度々。
稽古と平行して、作曲が進んで行くわけです。
曲ができたらもちろん次は編曲。オーケストラの編成にアレンジし、その楽譜の作成。(編曲者に任せる場合もあり。)
レコーディングというのもあります。宝塚の本公演の演奏は生オーケストラですが、オーケストラの楽器編成ではどうしても演奏できない曲もあります。
その場合、劇団内にあるレコーディングスタジオで、オーケストラによってテープ……つまりカラオケのレコーディングが行なわれます。
これももちろん作曲者である先生が、曲の演奏方法やテンポ~ミキシングに至るまで指示します。
そして、本通しの後のオケ合わせ。演出家、振付家、出演者である生徒全員が参加し、オーケストラの演奏に合わせる稽古。
ここで肝心なのが曲のテンポ。作曲家を中心に各スタッフが、歌ったり踊ったりするのに一番最適なテンポを確認し合います。
オーケストラの演奏で実際に演技するのは生徒自身。ですから、各スタッフとオーケストラ間で決めて行くのではなく「その速さでは、踊りにくい…」「ここをもう少し、こんな風に……」と、生徒側からも要求が出されます。
またその後も、作曲家が指揮者と共に、オーケストラの演奏への指示や稽古をするのは言うまでもありません。
そして……舞台稽古へと突入するわけです。