歌劇団に入団しても「試験」というものは付きまといます。
高い競争率に挑み受験をして音楽学校に入ったのに……
音楽学校時代も学期ごとの試験で苦しんだのに……何でまたぁ?
でも、劇団と呼ばれるものに試験やオーディションは付き物。まして宝塚歌劇団はタカラジェンヌのことを“劇団員とは呼ばず生徒”と、“稽古場のことを教室”と呼んでしまう所ですもの。ここはある意味学校。毎日が勉強。
試験がある学年は――研1、研3、研5。その3回。研5の試験が終われば、もう試験から解放されます。オーディションは別として、試験は二度と受けずに済みます。
試験科目は――芝居、歌、洋舞、日舞。舞台に必要なもの、すべてということ。
時期は各学年の終わりごろ、1月~3月頃の間。
この期間内に組別に(もちろん学年別に)試験が行なわれます。「研1の花組は○月○日~○月○日」といった具合に。何組かが合同で行なわれる場合もあります。
試験期間は3、4日。場所はもちろん歌劇団稽古場にて。
4組だった頃、毎年1月中に3学年とも試験が行なわれていました。以前はこの時期、生徒全員が揃うことができたのです。公演中、稽古中の組もありますが、生徒全員が宝塚にいたため、組別ではなく、同期生全員いっしょに試験が受けられました。
ところが5組になり、東京公演が通年となり、その他特別公演なども増えたため、同期生全員が宝塚で揃う時期がなくなってしまいました。なので、バラバラに試験が行なわれるようになったのです。
さて、何のために試験はあるのか……。それは、演出家などスタッフや各組のプロデューサーにとって「どの生徒が、何を、どれだけ出来るのか…」といった配役を決める際の目安となるからでしょう。
配役を決めるのは、決して試験の点数だけではありません。どんなに芝居の点数が良い生徒でも「この役には合う、合わない…」がありますし。