「宝塚ファン」ではメールマガジンのバックナンバーを公開していません。また申し訳ありませんが、再発行もできません。ですので不定期に、バックナンバーを少しずつご紹介いたします。
【52号 2001年3月8日発行】
■音楽学校受験の思い出
思えば宝塚受験は......えっ? 〇年前? 数えると怖いですぅ...。そんな太古の出来事。物覚えの悪いワタクシ。記憶が不確かな部分も多々ありますけれど、鮮明に覚えていることもナゼか。それだけ、わずか15才のカワユイ少女にとっては、大きな出来事だったというわけでございます。
ワタクシ中卒で受けた時、一次試験さえ通りませんでした。この試験で覚えていることと言えば、控え室で孤独だったこと。知り合いと、緊張と興奮を分け合っている他の受験生を見て、話し相手がいない私は非常に不安でございました。淋しぃー。
声楽の課題曲に何を歌ったのかさえ覚えておりません。
一次試験合格発表の巻紙に自分の名前がないのを見て、宝塚大橋を泣きながら渡りました。悲しぃー。
その後、梅田で母とやけ食い。そして心に固く固く誓ったのでございます。来年は絶対、うれし食いしてみせるぞ...と。
そして翌年、二度目の受験。そこには恐ろしく“度胸だけ”を覚えたワタクシがおりました。今では信じられないくらい、ホントに度胸がありました。ハッタリ? そう言っていただいても結構。どの科目も「さぁ、ここにいる私を見て~!」てな具合です。
怖いもの知らずって、何より強いのです。(そんな私に戻りたい...)
声楽――太ももを腫れ上がる(元々腫れ上がっております)ぐらいバンバン叩きながら拍子を取り、コールユーブンゲンや新曲視唱はクリアー。
課題曲は「帰れソレントへ」というイタリア歌曲を原語で。一次か二次かのどちらかで、ワタクシ歌詞を間違えました。原語で歌っているのにほんの一部、なぜか日本語になってしまったのでございます。あ~らあ~ら間違えたわ~♪と左脳の片隅で思いながらも、自分の世界に浸りました。