部外者の私、大所帯を抱える企業の方針について言える立場ではありません。以下はあくまでも私の感想として聞き流して下さい。
宝塚歌劇団の“よさ”それは“育てる”というシステムにあると思っています。劇団が生徒を、先輩が後輩を、観客が舞台人を……。例えトップスターというピラミッドの頂点にいる生徒でさえ、育てられてこそはじめて“本物のトップスター”になるのではないでしょうか?
トップスターとしてふさわしい生徒がトップスターに任命されるわけで、もちろん絵麻緒さんもその一人。しかしトップという看板を背負ったその日から“トップスター”になるのではなく、何作もの作品に出演し、いろんな役を演じ、苦労し感動し、時には頭を打って日々を重ね、最後の最後に“本物のトップスター”になる……そんな風に思います。
トップスターに限らず、その組の生徒たちも同じ。新しいトップの元でまた新たな自分を育てる……。二番手の男役スターは、二番手というポジションを経験し全うし、そして次のトップスターとなるべき自分を育てる……。宝塚はそれができるところなのです。
記者会見で絵麻緒さんが「一公演だけで退団するのは残念……」とコメントを残しましたが、彼女の目指すトップスターになるためには“もっと年月を重ねたかった……”。
おそらく花組の匠ひびきさんも同様な気持ちと思います。
歌劇団が生徒を思い、ファンの方々の思いも考慮しながら新しい方針を打ち出していることはわかっています。関係者ではない私たちには到底知ることのできない“守り続けなければならない責任”の難しさ。それを承知の上で言うと「甘いなぁ…」と思われるでしょうが、生徒本人とそのファンの方々にとっては、あまりにも不本意な結果になってしまったと思う今回の退団劇でした。
結局――絵麻緒さん&紺野さんトップコンビが、そして成瀬さんはじめ退団者の皆さんが、彼女たちそれぞれが目指す最高の舞台人として“すべて”を出し切ることを願い、私たちはそれを感じることしかできないのでしょうね。
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