私は彼女の初舞台から研5になるまでいっしょに花組で過ごしたわけですが、その頃の彼女の印象と問われると“なんだかボ――っとしている、なんだか妙な子……”(ゴメン!マミ)。しかし、やがて存在感のある男役になるであろう片鱗は確かに感じさせられました。タモちゃんといつもいっしょにいて、いつも必ず頑張っていた“努力家”のイメージが忘れられません。
『散る花よ 風の囁きに聞け』というバウホール公演の稽古で一言のセリフに体当たりしていたマミちゃん。4番教室の外の廊下を走りながら、セリフの練習をしていたっけ。彼女はその時気づいていなかったでしょうが、大きな声が中の稽古場にまで筒抜けでした。“まだやってる…”“今日もやってる…”。稽古場の中にいた私たちは、こんなに稽古熱心な下級生に感心させられたものです。
たった一言のセリフにも妥協しない彼女のプロとしての精神は、その後大きな役がどんどんと付き、やがてトップスターとなり、そして最後の幕が下りる瞬間まで続きました。この役でどんな「真琴つばさ」を見せようか……今日はこんな「真琴つばさ」を見せようかな……。ずっと試行錯誤しながら、それを楽しみながら、色んな色や味、魅力を感じさせてくれました。
宝塚歌劇団を宝塚歌劇団を牽引したトップ・オブ・トップ、真琴つばさ。最高に魅力的な男役でしたが、貴女なら、まだまだ別の引出しを持っているでしょう。新たな「マイ・ウェイ」を見つけて下さい。
マミちゃん、お疲れ様!
そしてありがとう。
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★「真琴つばさ」へのメッセージ
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